【三軒茶屋駅】手足のしびれ・神経痛なら

アールカイロプラクティックセンター

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【症例31】「太ももの前が激しく痛む」「仰向けで起き上がれない」

——外側大腿皮神経痛と仙腸関節の不安定性が重なって起きていたケース(50代女性・自営業)

「太ももの前がズキズキ痛む」
「仰向けで脚を伸ばすと痛くて起き上がれない」

こうした症状は、腰や椎間板の問題と考えられがちである。
しかし実際には、神経がどこで・なぜ圧迫されているのかを丁寧に見ていくと、
腰そのものではない場所に本当の原因が隠れていることも少なくない。

今回紹介するのは、
ぎっくり腰を繰り返し、坐骨神経痛・股関節の問題と説明されながらも改善せず、
最終的に「外側大腿皮神経痛」と診断された50代女性の症例である。

痛みの背景には、仙腸関節の不安定性を起点とした筋と神経の連鎖が存在していた。

◆状況と背景(Before)

  • 50代女性・自営業

  • これまでの経過
     2〜3年前からぎっくり腰を繰り返すようになり、
     左のお尻と鼠径部の痛みで鍼灸・整体院に通院。
     そこで「坐骨神経痛」「股関節が悪い」と言われ治療を受けていた。

  • 症状の急変
     約1か月前、鍼治療の後から
     左の太もも前面に違和感が出現。
     数日で激痛へと変わり、日常生活が困難な状態に。

  • 医療機関での対応
     整形外科でレントゲン・MRI検査を実施。
     軽度の椎間板ヘルニアは見られたが、
     「今回の痛みの原因ではない」と説明され、
     外側大腿皮神経炎と診断。
     腰の注射とリリカを処方され、一時的に緩和したが再び悪化。

現在は痛みの強さが10段階中3〜4程度。
我慢はできるが常に不快で、
特に

  • 仰向けで左股関節を伸ばす

  • 仰向けから起き上がる

ときに強い痛みが出る。
歩行時、左鼠径部を手で押さえると少し楽になる感覚があった。

◆検査と見立て

触診では、大腿前面外側そのものに強い張りはないが、
所々に圧痛が存在していた。

一方で、

  • 左鼠径部に明確な硬さと圧痛

  • 左のお尻に強い張り

  • 右側との差がはっきりしている

という特徴が見られた。

筋肉テストでは、

  • 大腰筋

  • 腸骨筋

  • 梨状筋

に明らかな機能低下が確認された。

これらを総合すると、
左太もも前面の痛みは、

過緊張した大腰筋・腸骨筋によって
外側大腿皮神経が鼠径部で圧迫されて起きている
外側大腿皮神経痛(がいそくだいたいひしんけいつう)

である可能性が極めて高いと判断した。

さらに、ぎっくり腰を繰り返していた背景を整理すると、
左仙腸関節の慢性的な捻挫(不安定性) が存在し、
それを安定させるために梨状筋が過緊張。

その結果、

  • 梨状筋 → 坐骨神経を圧迫(過去の坐骨神経痛)

  • 股関節が外旋位で固定

  • 大腰筋・腸骨筋が引き伸ばされ過緊張

という連鎖が成立していたと考えられる。

◆施術とアプローチ

施術の目的は、
神経の圧迫を解除し、連鎖の起点を断つことに置いた。

  1. 外側大腿皮神経の圧迫部位への末梢神経マニピュレーション
     → 腰椎以外で神経が圧迫されているポイントを特定し、
      神経の滑走を回復。

  2. 大腰筋・腸骨筋へのキネシオテーピング+筋スラッキング療法
     → 過緊張を起こしていた筋の反射を整え、
      神経への圧迫を解除。

再検査では、

  • 仰向けで股関節を伸ばしても痛みが出ない

  • 仰向けから起き上がる動作が可能

  • 大腿前面に常にあった痛み・しびれが大きく軽減

という明確な変化が確認できた。

◆結果と変化(After)

初回施術後、
激しかった太もも前面の痛みは大幅に軽減。

完全にゼロではないものの、
「動ける」「起き上がれる」という状態に回復した。

ただし、
圧迫されていた神経は回復途中であり、
再び圧迫が起きれば症状は戻る可能性がある。

そのため、
今回の症状の根本的な起点である仙腸関節の不安定性
優先的に整える必要があることを説明した。

◆今後の方針と再発予防

再発防止のため、次の点を共有した。

  • 慢性化した左仙腸関節の不安定性を早期に整える

  • 仙腸関節を安定させることで、梨状筋・大腰筋・腸骨筋の過緊張連鎖を断つ

  • 長時間同じ姿勢を避け、30分に一度は立ち上がって姿勢をリセット

  • ストレッチではなく「姿勢を一度崩す・深呼吸する」ことを習慣化

「太ももの前が痛い」という表面的な症状だけでなく、
なぜそこに負担が集中したのかを理解することが、再発防止の鍵となる。

◆考察

外側大腿皮神経痛は、
画像検査では異常が見つかりにくく、
「原因不明」「薬で様子を見る」とされやすい。

しかし実際には、

  • 仙腸関節の不安定性

  • 股関節の外旋固定

  • 大腰筋・腸骨筋の過緊張

といった構造と神経の連鎖を丁寧に評価することで、
症状の再現性と改善の方向性が明確になる。

本症例は、
「坐骨神経痛」「股関節の問題」「神経炎」と
診断名が変わり続けた背景に、
一貫した構造的原因が存在していた典型例である。

太ももの前の激痛は、
突然起きたように見えて、
実際には長年の身体のアンバランスが積み重なった結果である。

神経の通りを整え、
連鎖の起点となる関節と姿勢を正しく導くことで、
症状は確実に変化していく。

「どこに行っても良くならない」と感じたときこそ、
原因をもう一段深く見直す価値がある。

監修・執筆者情報:アールカイロプラクティックセンター 院長 菊池 竜

キネシオテーピング協会認定インストラクター
25年以上・延べ2万5千人以上の臨床経験

※本症例は一例であり、すべての方に同様の経過が当てはまるわけではありません。
症状や体質、生活背景によって回復過程は異なります。

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