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アールカイロプラクティックセンター

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【症例紹介41】開脚動作で太もも裏が張る

—ハムストリングスではなく“腰椎と中殿筋”が関与していたケース(40代女性・ダンサー)

「前後開脚をすると、太ももの裏が強く張る」
「ストレッチしても抜けない違和感が残る」

ダンサーや運動量の多い方ほど、
このような症状を「筋肉の柔軟性の問題」と捉えがちである。
しかし実際には、**張っている部位が“原因ではない”**ケースも少なくない。

 

今回紹介するのは、
半年以上にわたり右脚ハムストリングスの張りが続き、
セルフケアや他院での施術でも改善がみられなかった40代女性ダンサーの症例である。
検査を進めると、張りの正体はハムストリングスではなく、
腰椎由来の坐骨神経症状と中殿筋の機能低下にあった。

◆状況と背景(Before)

  • 40代女性・ダンサー

  • 主な症状
     半年前から右脚ハムストリングス(太もも裏)の張りを自覚。
     特に、
     ・右脚を前にした前後開脚
     ・左右開脚で上体を右に倒す動き
     で強く張りを感じる。

  • 発症初期の経過
     最初は右のお尻がつりそうな感覚があり、1日で消失。
     しかし翌日から、
     ・右のお尻
     ・太もも外側
     ・膝の痛み

 が出現し、その状態が約2週間続いた。
 その後、これらの症状が落ち着いてから、
 ハムストリングスの張りが気になるようになった。

  • 医療機関での検査
     症状出現から1週間後に整形外科を受診。
     レントゲン・MRI検査を行ったが、
     「特に異常なし」と説明された。

  • 既往・背景
     ぎっくり腰を年に1〜2回繰り返しており、
     今回の症状が出る約2か月前にも、
     舞台中に右腰を痛めていた。

現在もセルフケアや他院での施術を継続していたが、
改善がみられず、当院のホームページを見て来院された。

◆検査と見立て

■ 触診と筋機能評価

触診では、

  • 右のお尻外側

  • 右太もも外側

に、左と比べて明らかな張りが確認された。
一方で、ハムストリングス自体には明確な左右差はみられなかった

筋肉テストでは、

  • 大殿筋

  • 中殿筋

に機能低下がみられたが、
ハムストリングスは正常に機能していた。

太もも外側に付く 大腿筋膜張筋 には、
明らかな機能低下が確認された。

■ 神経学的評価

神経学検査では、

  • 足の指を反らす筋力

  • 足首を伸ばして外に捻る筋力

が、左に比べて右で明確に低下していた。

特に中殿筋は、
腰椎由来の神経評価でも用いられる筋であるため、
筋肉単体の問題ではなく、
神経障害による筋力低下の可能性が強く示唆された。

◆見立ての整理(原因の構造)

関節可動域検査・整形外科学検査を総合した結果、
この症状は以下の構造で起きていると判断した。

  • 腰椎5番と骨盤の間の椎間板が圧迫

  • 髄核が右側へ突出

  • それにより 坐骨神経が影響を受ける(坐骨神経痛)

  • 神経影響により 中殿筋が十分に働かなくなる

  • 中殿筋の役割を補うため、
     大腿筋膜張筋と大殿筋が過緊張

  • その結果、
     ・お尻外側
     ・太もも外側
     ・膝の痛み
     が出現

  • ハムストリングスの張りは、
     坐骨神経由来の症状として感じられていた

つまり、
「張っている場所」と「原因の場所」が一致していなかったケースである。

◆施術とアプローチ

施術は、
神経の圧迫解除と、筋機能の再構築を目的として行った。

  1. 腰椎(第4腰椎を含む2か所)と骨盤の歪み矯正
     → 椎間板への圧迫を軽減。

  2. 末梢神経マニピュレーション
     → 圧迫されていた坐骨神経の通りを回復。

  3. マッケンジーエクササイズ
     → 突出した髄核を正常な位置へ戻す方向づけを行い、
      再検査で筋力低下は回復。

  4. 大腿筋膜張筋へのキネシオテーピング療法
     → 筋肉テストで機能が正常化。
      前後開脚・左右開脚時の張り感が軽減。

◆結果と変化(After)

発症から約半年が経過していたため、
1回の施術で症状が完全に消失したわけではない。

しかし、

  • 筋力低下の回復

  • 開脚時の違和感の軽減

  • 張りの質が明らかに変化

といった改善が確認された。

◆今後の方針と再発予防

椎間板の回復には一定の時間が必要である。
そのため、

  • 姿勢や身体の使い方に合わせて歪んだ
     背中(胸椎)・首(頸椎)の矯正

  • 歪みに関連する筋肉・筋膜の調整

  • マッケンジーエクササイズの継続

が必要であることを説明した。

ダンサーという職業特性上、
柔軟性や可動域の追求だけでなく、
神経と筋の協調が保たれているかを重視することが、
再発防止には不可欠である。

◆考察

ハムストリングスの張りは、
必ずしもハムストリングスが原因とは限らない。

本症例のように、

  • 腰椎由来の神経症状

  • 股関節安定筋の機能低下

  • 代償としての筋過緊張

が重なると、
張りや違和感として別の部位に現れることがある。

ダンサーのように身体感覚が鋭い人ほど、
こうした“ズレ”を早期に感じ取るが、
原因の特定が遅れると慢性化しやすい。

太もも裏が張る。
その感覚は事実である。

しかし、
その原因が太もも裏にあるとは限らない。

神経・筋・姿勢の連動を丁寧に見直すことで、
長く続いた違和感は確実に変化する。

柔軟性ではなく、
「正しく使えているか」を見直すことが、
パフォーマンスを守る最短ルートである。

監修・執筆者情報:アールカイロプラクティックセンター 院長 菊池 竜

キネシオテーピング協会認定インストラクター
25年以上・延べ2万5千人以上の臨床経験

※本症例は一例であり、
すべての方に同様の経過が当てはまるわけではありません。
症状や体質、競技特性によって回復過程は異なります。

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2025/12/23
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