【三軒茶屋駅】手足のしびれ・神経痛なら

アールカイロプラクティックセンター

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【症例紹介28】深夜2時~明け方に襲う太もも前面の痛み

——1年続いた大腿神経痛と歩行困難の背景にあったもの(60代女性)

「太ももの前がいつも張っている」「夜中に痛みで目が覚める」
こうした訴えは、一見すると筋肉疲労のように思われがちだが、
実際には 深部の神経が圧迫されて起こる痛み(大腿神経痛) が隠れていることが多い。

今回の症例は、母親の介護を続けながら1年間痛みに耐えてきた60代女性。
整形外科1か所、整骨院2か所に通っても改善せず、
むしろ悪化して歩くのも困難になった経験を持つ。

 

夜中に痛みで眠れず、日中は張りが抜けない——
その背景には、大腿直筋の機能低下と、それを補う大腰筋・腸骨筋の過緊張 があった。

◆状況と背景(Before)

  • 60代女性・無職・母親の介護中

  • 主な悩み
     左太ももの前が1年前からずっと張っている。
     深夜2時〜明け方にかけて眠れないほど痛むことがある。

  • 発症からの経緯
     ・当初は歩けば痛みが軽くなる程度だった
     ・8か月前、整骨院で3回施術を受けた後に症状が急変し、
      「歩けないほどの激痛」が2〜3ヶ月続いた
     ・現在は強烈な痛みは減ったが、張りと夜間痛が続き悪化傾向

これまで受けた検査や治療で原因が見つからなかったため、
「もう治らないのでは」という不安を抱えての来院であった。

◆検査と見立て

触診では、太ももの前面に左右差はほとんどなく、筋肉の張りも軽度。
しかし、鼠径部(そけいぶ)に明らかな硬さと圧痛があり、
さらに左のお尻の外側に張りを認めた。

筋肉テストでは、太ももの付け根の動きに関わる 大腿直筋が機能低下
一方でお尻の筋肉の働きには大きな問題はなかった。

その他の検査を総合すると、

大腿直筋の働きを補うために、大腰筋と腸骨筋が過剰に緊張
→ 過緊張した筋が大腿神経を圧迫
→ 太ももの前の張りと夜間痛を引き起こしていた

という構造的メカニズムが明確となった。

特に、大腿神経は大腰筋・腸骨筋の内部(またはそのすぐ近く)を走行するため、
これらが過緊張すると神経は容易に圧迫される。

◆施術とアプローチ

施術は 神経の通り道を開放し、筋の機能を再構築すること を目的に進めた。

  1. 大腿神経の圧迫部位への末梢神経マニピュレーション
     → 神経の滑走を回復させる目的でアプローチ。
      施術直後、太もも前の張りが大きく軽減。

  2. 骨盤と腰椎(L4〜L5)にある歪みの矯正
     → 大腿直筋が縮んだまま伸びにくくなる原因を取り除くために調整。

  3. キネシオテーピング療法+筋スラッキング療法(大腿直筋)
     → 機能低下していた大腿直筋の働きを神経反射的に回復。
      再検査では明らかに筋反応が改善した。

夜間痛については施術中に再現できないため、
自宅での経過観察をお願いした。

◆結果と変化(After)

1週間後の再来院で、次の変化が確認された:

  • 施術後3〜4日は夜間痛がほとんど出ず熟睡できた

  • 張り感も軽減し、日中の動作がスムーズになった

  • しかし、キネシオテーピングがはがれた後に症状が再び出現

これは、筋と神経の連動は改善しているが、まだ安定していない状態を意味する。
そこで、以下の対策を追加した:

  • 再度、末梢神経マニピュレーション

  • 背骨と骨盤の再矯正

  • 大腿直筋のキネシオテーピング方法を自宅でも再現できるよう指導
     

これにより、改善状態を自宅でも維持できる環境が整った。

◆今後の方針と再発予防

大腿神経痛は、
筋の過緊張 × 骨格の歪み × 姿勢習慣
が重なったときに悪化しやすい。

とくにこの女性の場合、
介護による前傾姿勢・長時間の負荷など、日常生活が再発のトリガーになりやすい。

再発防止として以下を提案した:

  • 姿勢リセット(30分に一度、立ち上がって深呼吸・屈伸)

  • 骨盤と腰椎の左右差が強くならないよう、座り方の見直し

  • テーピングで大腿直筋の機能をサポートしながら生活を整える

 

「痛みが強い夜間」こそ、神経圧迫の影響を受けやすいため、
睡眠前の姿勢や呼吸の深さを整えることも重要である。

◆考察

大腿神経痛は整形外科的な画像診断では異常が見つからないことも多い。
しかし、大腰筋・腸骨筋・大腿直筋の機能低下と過緊張の関係性を評価すると、
痛みの「原因」と「再現性」が明確に浮かび上がる。

本症例は、

  • 神経の滑走障害

  • 筋の代償反応

  • 骨盤と腰椎の歪み
    が複合的に絡み合った典型例であり、
    構造 × 神経 × 姿勢習慣 の三位一体型アプローチの重要性を示している。

太ももの前が張る、夜中に痛む——
その原因が“筋肉のこり”ではなく、
神経が圧迫されて助けを求めているサインかもしれない。

今回のように、
神経・筋・骨格の連動を整え、生活動作を見直すことで、
長引く症状は確実に改善へと向かう。

 

日々介護を続ける中で積み上がった負担は、
身体が発する大切なメッセージ。
早めに整えることで、再び安心して眠れる夜と、軽やかな日常が戻ってくる。

監修・執筆者:アールカイロプラクティックセンター 院長 菊池 竜
キネシオテーピング協会認定インストラクター
25年以上の臨床経験、延べ2万5千人以上の施術実績

※本記事の内容は一例であり、すべての方に同じ経過が起こるとは限りません。
症状や体質により感じ方や回復過程は異なりますので、参考情報としてご覧ください。

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2025/12/23
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