——やさしい刺激で整える、“神経と感情”のつながり

「同じことをしても、良くなる人と良くならない人がいる」
そう感じたことはありませんか?
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同じように痛めたはずなのに、治りが早い人と遅い人がいる
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同じように施術しても、スッと整う人と、なかなか反応が出ない人がいる
実はその違い、“心と神経の関係”にヒントがあります。
【1】「痛み」は、神経と記憶でできている

たとえば、赤い色を見て「なんだかドキッとする」と感じたことはありませんか?
それは、昔の経験や記憶が、今の感覚に影響しているから。
痛みも同じ。
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以前ケガをした部位
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不安や恐怖を感じた経験
そうした記憶が、「今」の刺激を“より強く痛く”感じさせてしまうことがあります。
【2】「怖い・不安・嫌だ」で痛みが強くなる

「これ、効くかな…」「また悪くなったらどうしよう」
そんな不安な気持ちは、知らず知らずのうちに、体の“痛みスイッチ”をONにしてしまいます。
反対に、安心して受けると、同じ刺激でも痛みが和らいで感じる。
人の体って、実はとても“感情に影響されやすい”のです。
【3】だからこそ、治療では「信頼」が大事
同じ技術でも、
「この人なら大丈夫」と思えるかどうかで、体の反応は大きく変わります。
治療に必要なのは、
「どれだけ好かれるか」ではなく、
「安心できる空気をつくれるか」。
それが、からだを整える“土台”になります。
【4】「自律神経の乱れ」ってこういうこと
よく聞く「自律神経の不調」。
これは単に「体のバランス」だけでなく、
感情が整理できず、頭の中が休まらない状態から始まることが多いんです。
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イライラ
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焦り
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寂しさ
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モヤモヤ
こうした感情が、呼吸や内臓、体温調整など、体の深い部分にまで影響を与えているのです。
【5】だから、やさしい刺激の方が効くこともある
体は電気で動いています。
その「スイッチ」が過敏になっていると、小さな刺激でも強烈な“痛み”として感じることがあります。
だからこそ、
「強い刺激=効く」ではなく、「ちょうどよい刺激が効く」という視点が大切なんです。
【6】皮膚には、いろんな“感じるセンサー”がある
皮膚にはいろんな種類のセンサーがあります。
センサーの種類 | 感じるもの | イメージ |
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表面のセンサー | 軽い触れ・押し感 | 時計・眼鏡のつけ心地 |
深いところのセンサー | 引っぱられる・伸びる感覚 | ストレッチ、姿勢の変化 |
動くものセンサー | 撫でられる・風が当たる | 点字を読むときの感覚 |
痛み・温度のセンサー | チクチク・熱さ・冷たさ | やけど、打撲、冷え、かゆみ |
これらをどう使うかによって、体の反応は大きく変わります。
【7】本当の治療は「触る前」に始まっている

問診や会話の中で、
その人の神経がどんな状態にあるのかはすでに見えていることがあります。
「触る=治療」ではなく、
“どう見抜くか”が治療の本質。
痛い場所を追いかけるのではなく、
“痛みが起きる背景”に目を向けることで、本当の改善につながります。
【8】神経の痛みは「押されて」ではなく「酸素不足」で起きていることも

よくある誤解:
「神経が押されてるから痛いんですね」
実は、神経そのものは意外と強い。
でも、そこに酸素を送っている血管が圧迫されると…
⇒神経に酸素が届かず、“エネルギー切れ”で痛みが出ることもあるのです。
✅まとめ:「体」と「心」を一緒に整える
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痛みは、体の問題だけじゃなく「心と神経の記憶」でも強くなる
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やり方ではなく、「どう見抜くか」が治療の質を決める
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やさしい刺激でも整う理由がちゃんとある
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痛みを和らげるには、「信頼」「安心」「感情」も欠かせない
「原因がわからない痛み」
「治療してるのに、よくならない違和感」
そんな時は、体のスイッチではなく“心と神経の配線”に目を向けてみてください。