【三軒茶屋駅】手足のしびれ・神経痛なら

アールカイロプラクティックセンター

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【症例紹介42】小指から手のひらがしびれる

—ギヨン管ではなく“前腕で圧迫されていた尺骨神経”が原因だったケース(40代男性・整備士)

「小指の先がしびれる」
「手のひらまで感覚が鈍くなってきた」

このような症状があると、
多くの場合「手首のトンネル(ギヨン管)」の問題を疑われる。
実際、ロードバイクやハンドル操作の多い人では
ギヨン管症候群と診断されることも少なくない。

しかし臨床では、
症状が出ている場所=神経が圧迫されている場所とは限らない
今回の症例は、その典型例である。

◆状況と背景(Before)

  • 40代男性・整備士

  • 主な症状
     左小指の指先から手のひらにかけてのしびれと感覚低下。

  • 発症の経過
     2か月前、ロードバイクで約200km走行後、
     左小指の指先だけがしびれるようになった。
     しばらく安静にしていると一度は自然に消失。

 しかし1か月前、
 ロードバイクで1週間の旅行をした後から再発。
 今度は小指の指先だけでなく、
 手のひらまで同様の症状が広がってきた。

  • 医療機関での診断
     病院を受診し
     「ギヨン管症候群」と診断。
     MRIでは頸椎に軽度の圧迫もあると言われた。

 その後しばらく治療を受けたが、
 症状の改善がみられず、
 別の視点を求めて来院された。

◆検査と見立て

■ 触診所見

触診では、

  • 頸椎から小指の指先へ向かう
     尺骨神経の走行上

  • 腕の付け根〜肘の内側

  • 肘〜手首の内側

に、右と比べて明らかな張りが確認された。

特に、

  • 腕の付け根〜肘内側に
     しこり状の硬結が2か所存在

  • そこを押すと
     しびれが強く再現される

という所見があった。

一方で、
ギヨン管を直接圧迫すると症状は悪化せず、むしろ軽減するという、
診断と矛盾する反応がみられた。

■ 筋機能評価

筋肉テストでは、

  • 上腕二頭筋(腕の付け根〜肘内側)

  • 尺側手根屈筋(肘〜手首内側)

に機能低下が確認された。

これらはいずれも、
尺骨神経の近傍・通過部位と深く関係する筋である。

◆見立ての整理(原因の構造)

以上の検査結果を総合すると、
この症状は次の構造で起きている可能性が極めて高いと判断した。

  • 日常姿勢や仕事動作で
     上腕二頭筋・尺側手根屈筋が慢性的に過緊張

  • ロードバイクでの長時間前腕支持・把持姿勢により
     これらの筋がさらに緊張

  • 結果として
     腕の付け根〜前腕内側で尺骨神経が圧迫

  • 小指・手のひらのしびれとして表面化

つまり、
「ギヨン管症候群」という診断名はついていたが、
主な圧迫部位は“手首”ではなく“肘〜前腕”にあったと考えられる。

◆施術とアプローチ

施術の目的は、
尺骨神経の通りを回復させ、過緊張している筋を正常な状態に戻すことである。

  1. 尺骨神経への末梢神経マニピュレーション
     → 腕の付け根〜肘内側で
      しこり状になっていた圧迫部位を中心にアプローチ。

  2. 上腕二頭筋・尺側手根屈筋への
     キネシオテーピング療法+筋スラッキング療法

再検査では、

  • 手のひらのしびれはほぼ消失

  • 小指の感覚も改善傾向

  • 強く押しても症状が再現されにくくなった

 

という明確な変化が確認された。

◆頸椎への追加評価

小指の感覚神経に影響する可能性があるとして、

  • 頸椎の歪みを評価

  • 神経出口(椎間孔)を広げる目的で
     ウィリアム体操を実施

したが、
この段階では症状に大きな変化はみられなかった。

このことから、
今回の主因は頸椎ではなく、末梢(前腕)での神経圧迫
である可能性がより明確になった。

◆結果と変化(After)

感覚が鈍くなるほど圧迫されていた神経は、
完全な回復までに時間を要する。

しかし、

  • 手のひらのしびれは大きく軽減

  • 小指の感覚も改善方向へ

  • 日常作業での不安感が減少

と、
回復の「方向性」は明確に確認できた。

◆今後の方針と再発予防

神経が回復途中で再び圧迫されると、
症状は元に戻りやすい。

再発防止のため、

  • 上腕二頭筋・尺側手根屈筋への
     キネシオテーピングの継続

  • ロードバイク乗車時の
     前腕荷重・握り方の見直し

  • 仕事中の肘・手首の使い方の再教育

 

が必要であることを説明し、
テーピングの正しい貼り方を指導した。

◆考察

小指のしびれは、
ギヨン管症候群と診断されることが多い。

しかし本症例のように、

  • 肘〜前腕内側

  • 上腕二頭筋・尺側手根屈筋

といった
より上流での神経圧迫が主因となるケースも少なくない。

診断名にとらわれず、
神経の通り道を一つずつ検証する視点が、
適切な改善につながる。

小指から手のひらのしびれは、
「手首の問題」とは限らない。

神経がどこで圧迫されているかを正しく見極めることで、
改善への道筋は大きく変わる。

長距離ライドや手作業が多い人ほど、
早めの評価と調整が重要である。

監修・執筆者情報:アールカイロプラクティックセンター 院長 菊池 竜

キネシオテーピング協会認定インストラクター
25年以上・延べ2万5千人以上の臨床経験

※本症例は一例であり、
すべての方に同様の経過が当てはまるわけではありません。
症状や生活背景によって回復過程は異なります。

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2025/12/1
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