
【三軒茶屋駅】手足のしびれ・神経痛なら
アールカイロプラクティックセンター
〒154-0011 東京都世田谷区上馬5-35-25 JLBグランエクリュ三軒茶屋601号室
(東急田園都市線 三軒茶屋駅世田谷通り口より徒歩13分)
「膝の内側の感覚が鈍い」
「階段を降りるとき、膝の動きがぎこちない」
このような症状があると、多くの場合「膝の問題」を疑われる。
しかし、膝に強い痛みがなく、皮膚感覚の変化や動きの違和感が主体の場合、
原因は膝ではなく“腰や神経”にあることも少なくない。
今回紹介するのは、
左膝内側からふくらはぎ内側にかけての感覚異常と、
動作時の違和感が続いていた50代男性の症例である。
検査を進めた結果、症状の本質は
腰椎椎間板ヘルニアと、それに伴う大腿神経・伏在神経の圧迫にあった。
50代男性・会社員
主な症状:
左膝内側からふくらはぎ内側にかけて皮膚感覚が鈍く、
時々ヒリヒリするような違和感がある。
歩行や日常生活には大きな支障はないが、
・階段を降りるとき
・走るとき
に膝の動きがカクカクして不安定に感じる。
特徴的な動作:
もも上げ運動をすると、
左膝内側と左腰に痛みが出る。
発症のきっかけ:
1か月ほど前、転倒した父親を立ち上がらせようとした際、
左腰に激痛が走った。
その3日後の夜、
左腰から膝の内側へ、太ももの前面を横切る強い痛みが一晩中続いた。
翌日からは現在のような感覚異常と違和感に変化した。
医療機関での対応:
整形外科でレントゲン検査を受け、
腰椎3–4番間の椎間板ヘルニアと診断。
温めることとストレッチを勧められたが、
ストレッチ後の方が症状が悪化するため、
疑問を感じて来院された。
触診では、
左の鼡径部(そけいぶ)に、右と比べて明らかな硬さと圧痛が確認された。
また、左内ももは右に比べてやや細くなっており、
筋の使われ方に左右差がある状態であった。
筋肉テストでは、
大腰筋
腸骨筋
大腿直筋
といった鼡径部を通る筋肉に機能低下がみられ、
さらに内ももに付く 内転筋群 にも機能低下が確認された。
皮膚感覚検査では、
左膝内側
左ふくらはぎ内側
の感覚が、右に比べて鈍くなっていた。
大腰筋・腸骨筋は腰椎由来の筋力検査にも用いられる筋であるため、
単なる筋疲労ではなく、
神経障害による機能低下の可能性が強く示唆された。
検査結果を総合すると、
この症状は以下の構造で起きている可能性が極めて高いと判断した。
腰椎3–4番間の椎間板が圧迫
髄核が左側へ突出
それにより
・大腿神経
・伏在神経
が影響を受ける
神経支配を受ける
大腰筋・腸骨筋・大腿直筋・内転筋群が機能低下
結果として
・膝内側〜ふくらはぎ内側の感覚異常
・膝の動きのぎこちなさ
が出現
膝そのものに問題があるのではなく、
腰椎と神経の問題が膝症状として現れていたケースである。
施術の目的は、
椎間板への圧迫を軽減し、神経と筋の連動を回復させることである。
腰椎(第4腰椎を含む2か所)と骨盤の歪み矯正
→ 椎間板にかかる負担を軽減。
マッケンジーエクササイズ
→ 突出した髄核を正常な位置へ戻す方向づけを行い、
再検査で皮膚感覚が一部回復。
大腰筋・腸骨筋へのキネシオテーピング療法
→ 再検査で筋機能が正常化。
椎間板に対するキネシオテーピング療法
→ もも上げ運動時の症状が、
痛みから「軽い張り感」程度に変化。
1回の施術では、
皮膚感覚が回復方向へ
膝の動きの引っかかりが軽減
もも上げ運動での痛みが大きく改善
という変化が確認された。
完全に消失してはいないものの、
症状が“神経回復の途中段階”に移行したことが明確に分かる状態であった。
椎間板と神経の回復には時間が必要である。
そのため、以下を共有した。
マッケンジーエクササイズの正しい継続
日常生活で椎間板に負担をかけにくい
姿勢・身体の使い方の見直し
大腰筋・腸骨筋をさらに過緊張させるストレッチは中止
「良いと思ってやっていたストレッチ」が、
実は神経症状を悪化させていた可能性についても説明した。
膝内側の違和感や感覚異常は、
膝関節そのものが原因でないことも多い。
本症例のように、
腰椎椎間板
大腿神経・伏在神経
鼡径部を通る筋の過緊張
が重なることで、
膝症状として現れるケースは臨床では珍しくない。
診断名や部位にとらわれず、
神経の走行と症状の一致を丁寧に確認することが、
改善への近道となる。
膝の内側がヒリつく、動きがぎこちない。
それは膝の故障ではなく、
腰からの神経サインかもしれない。
原因を正しく見極め、
神経と筋の通りを整えることで、
症状は確実に変化する。
「なぜストレッチで悪化したのか」
その答えを理解することが、再発を防ぐ第一歩である。
キネシオテーピング協会認定インストラクター
25年以上・延べ2万5千人以上の臨床経験
※本症例は一例であり、
すべての方に同様の経過が当てはまるわけではありません。
症状や体質、生活背景により回復過程は異なります。
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