― カイロプラクティック×キネシオテーピング講座(腰椎編)を受講して ―
アールカイロには、
「原因がはっきりせず不安だけが残った」
「治療を続けても改善が感じられなかった」
という状況で来院される方が多い。
そのような方の身体を預かる以上、施術者は常に技術を更新し、
より良い選択肢を提案できる状態でなければならない。
学び続ける姿勢は、患者の未来に対する責任そのものである。
今回受講した「腰椎編」の講座は、
その姿勢を裏打ちし、施術の根幹を再確認する時間となった。
■ 刺激は少なく。身体に敬意を払う施術を
私がカイロプラクティックを学び始めた当初から一貫して大切にしているのは、
「身体への刺激はできるだけ少なくする」という考え方である。
必要な矯正を行うべき場面は確かに存在する。
しかし本来望ましいのは、強い矯正に頼らずとも身体が自然に整っていく状態である。
身体の反応は繊細で、わずかな刺激の差がその人の回復力を大きく左右する。
だから私は、
「矯正しないで済むのであれば、それに越したことはない」
という姿勢を貫いてきた。
この考え方は、患者の身体を“操作の対象”ではなく、
“尊重すべき生命の働き”として扱うという意味でも、大切にしてきた価値観である。
■ 骨はなぜ歪み、なぜ戻るのか
施術経験を重ねるほど、私は一つの疑問に向き合うことになった。
「骨はなぜ歪むのか」
「整えてもなぜ元に戻ってしまうのか」
歪みは単独で生じるわけではない。
大腰筋の緊張、腹圧の偏り、呼吸の浅さ、横隔膜の動き、皮膚・筋膜の滑走性、
さらには自律神経の興奮まで、複数の要素が複雑に絡み合う。
つまり、
骨の歪みは結果であり、原因ではない。
この事実を深く理解すると、
骨格だけを見て矯正しても、本質的な変化には限界があることが見えてくる。
私はここに強い違和感を覚え、「背景まで整える方法」を探すようになった。
■ キネシオテーピングに出会い、初心に戻った
その探索の中で出会ったのがキネシオテーピングである。
皮膚・筋膜・神経・内臓といった“骨を動かす仕組み”へ直接触れる技術に触れたとき、
私は施術家としての原点を思い出した。
強い力で動かすのではなく、
身体が本来持つ動きを妨げず、自然に戻っていく方向へ導く。
最小限の刺激で最大の変化を引き出すという考え方は、
カイロを学び始めた頃に大切にしていたものと一致していた。
キネシオに触れたとき、私は初心に返るような感覚を覚えた。
「身体を丁寧に扱う施術こそ、私が本当にやりたかったことだ」と。
そして同時に、
“骨が歪む前に起きている問題”に触れられる技術を手にした
という確かな手応えがあった。
■ カイロとキネシオは、異なる入口から同じ目的へ向かう
今回の講座では、腰椎の構造と機能を理解するために、
-
腰椎前弯の強弱
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回旋・側屈の癖
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大腰筋と腹圧の連動
-
横隔膜と呼吸の動き
-
皮膚テンションの変化
などを詳細に検証した。
カイロプラクティックは構造(骨)を整える技術である。
キネシオテーピングは機能(筋・神経・内臓)を整える技術である。
両者は決して別物ではなく、
異なる入口から同じ目的へ向かう補完関係にある。
テーピングは貼る作業ではなく、見立てそのものだ。
どの動きが縮みにくく、どこが伸びきっているのかを読み取り、
自然に戻りたがる方向へ軽く触れる。
そのわずかな刺激が、骨格にも神経にも大きな変化を生む。
■ 私が学び続ける理由
痛みや痺れは生活の質を大きく奪う。
仕事、家事、趣味、睡眠、気力——どれも影響を受ける。
その現実を知っているからこそ、私は
“今よりも良い方法があるはずだ”
という前提で学び続けている。
施術は完成形ではない。
常に更新され続ける“プロセス”である。
今回の講座は、そのプロセスを前に進める大きな学びとなった。
もし今あなたが、
「もう変わらない」「年齢だから仕方ない」
と感じているなら、その心配はいらない。
身体には、必ず変わる力がある。
その力を引き出す準備を整えることが、私の役割である。
アールカイロは、
“少ない刺激で、確かな変化を”
という理念を軸に、これからも学び続け、進化し続ける。
