【三軒茶屋駅】手足のしびれ・神経痛なら

アールカイロプラクティックセンター

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【症例32】「腕がだるい」「指が動かしにくい」

——胸郭出口症候群と診断されたが、原因は“橈骨神経の圧迫”だったケース(40代男性・会社員)

「腕がだるくて力が入らない」
「パソコン操作で人差し指と中指が動かしにくい」

このような症状が続くと、多くの場合
首・胸郭・肩の問題(胸郭出口症候群) を疑われる。
実際にそう診断され、注射や薬、装具治療を受けても改善しないケースは少なくない。

今回紹介するのは、
胸郭出口症候群と診断されながらも回復せず、
原因を詳しく検査した結果、別の神経圧迫が重なっていたことが判明した40代男性の症例である。

◆状況と背景(Before)

  • 40代男性・会社員

  • 主な経過
     約3か月前、右腕(力こぶの外側)に電気が走るような鋭い痛みが突然出現。
     ポケットから物を取る、ズボンを履くなど、
     腕を後ろへ引く動作で強く痛むようになった。

 右腕を使わないように過ごしたところ、
 10日〜2週間ほどで鋭い痛みはいったん消失。

  • その後の変化
     痛みは消えたが、
     ・右腕のだるさ
     ・違和感
     ・パソコン操作時に人差し指と中指が動かしにくい
     ・この2本の指を強く曲げると腫れているような感覚

 が残るようになった。

  • 医療機関での対応
     神経内科・整形外科で首のレントゲンとMRI検査
     → 明らかな異常なし
     → ビタミン剤処方

 自分で調べて症状が当てはまるとして
 胸郭出口症候群専門病院を受診。
 → 胸郭出口症候群と診断
 → ブロック注射(10日に1回×4回)、リリカ処方、肩を引き上げる装具を着用

 

 しかし症状は変わらず、改善が見られなかったため来院。

◆検査と見立て

神経学検査では、
皮膚感覚に左右差はみられなかった。

しかし筋力検査では、

  • 肘を伸ばす筋

  • 腕を横に上げる筋

右側で明確な低下がみられた。

触診では、

  • 首の前側左右

  • 右鎖骨下

  • 右腕の付け根後方

に強い緊張があり、
特に右腕付け根後方を押すと、
腕のだるさとしびれが再現された。

筋肉テストの結果、

  • 棘下筋

  • 小円筋

  • 広背筋

  • 上腕三頭筋

  • 回外筋

に機能低下が確認された。

これらを総合すると、

・小円筋による橈骨神経の圧迫(四辺形間隙症候群)
・回外筋による橈骨神経の圧迫(回外筋症候群)

同時に起こっている可能性が極めて高いと判断した。

胸郭出口ではなく、
肩甲骨周囲〜肘にかけての末梢神経圧迫が本質的な原因であった。

◆施術とアプローチ

施術は、神経の通りを段階的に回復させる方針で行った。

  1. 末梢神経マニピュレーション
     → 腕神経叢および橈骨神経の圧迫ポイントを解放。

 再検査で
 棘下筋・小円筋・広背筋が正常に機能するようになった。

  1. 上腕三頭筋・回外筋へのキネシオテーピング+筋スラッキング療法
     → 残っていた橈骨神経の圧迫を解除し、神経反射を正常化。

再検査では、

  • 腕付け根の圧痛が軽減

  • 右腕のだるさが明らかに減少

  • 人差し指・中指を曲げた時の腫れた感じがほぼ消失

 

という変化が確認できた。

◆結果と変化(After)

1回の施術で、

  • 右腕のだるさ

  • 指の動かしにくさ

  • 腕付け根の違和感

が大きく軽減。

パソコン操作時の細かい動きについては、
自宅で経過確認としてもらうことにした。

◆今後の方針と再発予防

神経が回復途中の段階で再び圧迫されると、
症状は再発しやすい。

姿勢分析を行ったところ、

  • 右肩が下がる

  • 上半身が左にねじれる

というクセが確認された。

これは、

  • 右手の使い方

  • 肩関節・肘・手首の負担

  • 間違った動作の積み重ね

によって、
右肩甲骨周囲の筋が引き伸ばされ、
過緊張を起こしていたと考えられる。

再発防止として、

  • 右手の使い方の見直し

  • 肩・肘・手首の連動評価

  • 今回できなかった 胸椎・腰椎の歪み調整

  • 関連筋・筋膜の継続的調整

 

が必要であることを伝えた。

◆考察

胸郭出口症候群と似た症状でも、
実際には末梢で橈骨神経が圧迫されているケースは少なくない。

  • 四辺形間隙症候群

  • 回外筋症候群

は見逃されやすく、
注射や薬では改善しにくい。

本症例は、
神経の圧迫部位を正確に見極めることの重要性を示す典型例である。

「胸郭出口症候群」と診断されても改善しない場合、
原因は別の場所にある可能性がある。

腕のだるさや指の動かしにくさは、
神経の通りがどこで妨げられているかを正しく評価することで、
回復への道筋が見えてくる。

早期に原因を見極め、
適切な調整を行うことが、再発を防ぐ最短ルートである。

 監修・執筆者情報:アールカイロプラクティックセンター 院長 菊池 竜

キネシオテーピング協会認定インストラクター
25年以上・延べ2万5千人以上の臨床経験

※本症例は一例であり、すべての方に同様の経過が当てはまるわけではありません。
症状や体質、生活背景により回復過程は異なります。

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2025/12/1
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