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アールカイロプラクティックセンター

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【症例紹介39】妊娠中に太ももの外側がしびれる

—姿勢の変化によって起きた外側大腿皮神経痛のケース(30代女性・妊娠16週)

「妊娠してから太ももの外側がしびれる」
「長く立ったり歩いたりすると悪化するが、寝ると楽になる」

妊娠中の体の変化はさまざまな症状を引き起こす。
その中でも、太ももの外側に出るしびれや感覚の鈍さは、
「妊娠のせいだから仕方ない」と見過ごされがちである。

しかし実際には、妊娠そのものではなく、
姿勢や骨盤バランスの変化によって神経が圧迫されているケースが少なくない。

 

今回は、妊娠16週で右太もも外側のしびれが出現した30代女性の症例を紹介する。

◆状況と背景(Before)

  • 30代女性

  • 妊娠状況:妊娠16週

  • 主な症状
     3週間ほど前から右太もも外側にしびれが出現。
     左に比べて感覚が鈍い感じがある。

  • 症状の特徴
     ・2〜3時間立っていたり歩いていると徐々に悪化
     ・寝ていると楽で、翌朝にはしびれが消える
     ・反り腰のため、妊娠前から仰向けでは寝られず横向きで就寝
     ・しびれが出てからは、右側を上にして横向きで寝ている

  • これまでの経過
     妊娠前は腰痛の自覚はほとんどなく、
     マッサージで「張っている」と言われる程度。

 18歳頃、立ち仕事で一日中立っているとしびれた経験はあったが、
 その後は消失していた。

 妊娠後、しびれが頻繁に出るようになり、
 マタニティマッサージを受けたが症状は変わらず、
 原因を調べて来院された。

◆検査と見立て

触診では、右太もも外側に左と比べて明らかな張りが確認された。
一方、神経学検査では筋力・感覚ともに左右差は目立たず、
神経そのものに障害がある状態ではなかった。

太もも外側に付着する筋肉を評価しても、
局所的な筋力低下はみられなかったため、
動作時に悪化するという特徴から立位姿勢分析を行った。

◆姿勢分析と筋機能評価

立位姿勢を評価すると、以下の特徴がみられた。

  • 骨盤は 左に傾き、右に回旋

  • 上半身はそれを補うように
     右に傾き、左に回旋

この姿勢を前提に筋肉テストを行ったところ、

  • 右側:腸骨筋、腰方形筋

  • 左側:大腰筋

に機能低下が確認された。

これらの筋は、骨盤の位置や腰椎の安定に深く関与し、
外側大腿皮神経が通過するスペースにも影響を与える。

総合的に判断すると、

妊娠による体型変化に伴う姿勢の崩れにより、
過緊張した腸骨筋・腰方形筋が
外側大腿皮神経を圧迫して起きた外側大腿皮神経痛

 

である可能性が極めて高いと判断した。

◆施術とアプローチ

妊娠中であることを十分に考慮し、
安全性を最優先した穏やかなアプローチを選択した。

  1. 外側大腿皮神経の圧迫部位への末梢神経マニピュレーション
     → 腰椎以外で神経が圧迫されているポイントを解放。

  2. 骨盤の歪み調整
     → 腸骨筋・腰方形筋の過緊張を生む姿勢バランスを修正。

  3. 腸骨筋・腰方形筋・大腰筋へのキネシオテーピング療法
     → 神経と筋の緊張を穏やかに整え、再検査では明らかな改善を確認。
      その場で太もも外側のしびれは消失した。

◆付随症状への対応(頭痛)

問診の中で、
「妊娠前から左後頭部付近の頭痛が出やすく、妊娠中は薬が使えず困っている」
との相談があった。

首〜頭部を評価すると、

  • 頭部が左に傾き

  • 頭と首の間が左側で狭まり

  • 大後頭神経が圧迫されやすい状態

であることが分かった。

そこで、

  • 後頭骨の歪み調整

  • 左胸鎖乳突筋へのキネシオテーピング

 

を行い、
神経への負担を軽減する対応を追加した。

◆結果と変化(After)

施術前には頭痛がなかったため、
頭痛の変化はその場では確認できなかった。

また、2〜3時間の立位や歩行時の
太もも外側の症状もその場では再現できないため、
日常生活での経過観察とした。

そのまま様子を見ていただき、
もし症状が改善するようであれば、
次回はご主人と来院し、
今回使用したキネシオテーピングの貼り方を
自宅でも再現できるように説明する予定とした。

 

なお、
使用したキネシオテーピング専用テープ(キネシオテックス)は
薬剤を含まない素材であり、
妊娠中でも安心して使用できることを説明した。

◆今後の方針と再発予防

妊娠中は、体重配分や姿勢が日々変化するため、
一時的に改善しても再発する可能性はある。

再発防止のため、以下を共有した。

  • 長時間同じ姿勢を避ける

  • 30分に一度、立ち上がって姿勢をリセット

  • 横向きで寝る際も、骨盤が大きく捻じれない工夫

 

ストレッチではなく「姿勢を一度崩す」ことを重視し、
体に余計な刺激を加えない方針とした。

◆考察

妊娠中のしびれや痛みは、
ホルモンや体重増加だけが原因ではない。

本症例のように、

  • 姿勢バランスの変化

  • 骨盤と腰椎周囲筋の過緊張

  • 神経の通り道の狭小化

が重なることで、
神経症状が現れることは珍しくない。

 

妊娠中でも、
体に負担をかけずに整える方法は存在する。

妊娠中に起こる太もも外側のしびれは、
「妊娠のせい」と我慢する必要はない。

原因を正しく見極め、
姿勢と神経の通りを整えることで、
症状は十分に変化する。

不安を抱えたまま過ごすのではなく、
安全な方法で体を整える選択肢があることを知ってほしい。

監修・執筆者情報:アールカイロプラクティックセンター 院長 菊池 竜

キネシオテーピング協会認定インストラクター
25年以上・延べ2万5千人以上の臨床経験

※本症例は一例であり、
すべての方に同様の経過が当てはまるわけではありません。
妊娠経過や体調によって感じ方・回復過程は異なります。

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