【三軒茶屋駅】手足のしびれ・神経痛なら

アールカイロプラクティックセンター

〒154-0011 東京都世田谷区上馬5-35-25 JLBグランエクリュ三軒茶屋601号室
(東急田園都市線 三軒茶屋駅世田谷通り口より徒歩13分)

ご予約・お問合せはこちら

友だち追加

【症例紹介36】床に座ると方の後ろが重く痛む

—座位姿勢と腕の使い方が引き起こした四辺形間隙症候群(30代男性)

「床に座ると肩の後ろが重く痛くなる」
「自転車に乗ると同じ場所がつらい」

肩の後側に出る痛みは、肩関節や首の問題と考えられがちである。
しかし、実際の臨床では 姿勢や腕の位置によって神経が引き伸ばされることで起こる痛み も少なくない。

今回は、仕事で重い荷物を扱う30代男性に起きた、
床座り・自転車・荷物の持ち上げ動作で悪化する肩の後側痛の症例を紹介する。

◆状況と背景(Before)

  • 30代男性

  • 主な症状
     床に座っている時や自転車に乗っている時に、右肩の後側に重い痛みが出る。
     日によっては床に座っていられないほどつらいこともある。

  • 発症の経緯
     仕事で重い荷物を床から頭上付近まで持ち上げたり、下ろしたりする動作が多く、
     半年前頃から徐々に症状が強くなってきた。

  • 痛みの特徴
     寝ている時や立っている時は比較的楽。
     床座り・自転車・腕を前に伸ばす姿勢で悪化。

「肩を動かしているわけではないのに痛い」という点に、
本人も違和感を覚えていた。

◆検査と見立て

触診では、右腕の付け根の後方に明らかな硬さがあり、
押すと強い圧痛とともに肩の後側に痛みが再現された。

筋肉テストでは、

  • 小円筋

  • 棘下筋

  • 広背筋

に機能低下がみられ、
さらに連動して働く

  • 三角筋

  • 上腕三頭筋

  • 大菱形筋

にも機能低下が確認された。

関節可動域検査や整形外科学検査を総合すると、
この肩の後側の痛みは、

小円筋と上腕三頭筋が引き伸ばされ、
その間を通る 腋窩神経 が圧迫されて起こる
四辺形間隙症候群(しへんけいかんげきしょうこうぐん)

である可能性が極めて高いと判断した。

◆姿勢分析による原因の特定

実際に 座り方と腕の置き方 を詳しく確認した。

  • 椅子に座っている時
     → 右肩は下がっているが、左のお尻に体重をかけ、
       右腕を肋骨で下から支えることで、肩への負担を逃がしていた。

  • 床に座っている時
     → あぐらをかき、右太ももに右肘を乗せる姿勢になり、
       腕の重さがそのまま小円筋・上腕三頭筋を引き伸ばしていた。

さらに、

  • 自転車でハンドルを握る姿勢

  • 荷物を持ち上げたり下ろしたりする姿勢

いずれでも同様に、
右肩が下がり、上半身が右に捻じれ、
神経が通るスペースが狭くなる状態が続いていた。

◆施術とアプローチ

施術では、神経の通りを確保し、引き伸ばされ続けていた筋の緊張を解放すること を目的とした。

  1. 末梢神経マニピュレーション
     → 腕神経叢および腋窩神経を解放。
      再検査で棘下筋は痛みを残しつつも機能が回復。

  2. 小円筋へのキネシオテーピング療法
     → 三角筋・上腕三頭筋の機能も正常化。

  3. 広背筋・大菱形筋へのキネシオテーピング
     → 肩甲骨周囲の連動が改善。

  4. 小円筋への筋スラッキング療法
     → 自転車姿勢で残っていた重だるさも完全に消失。

◆結果と変化(After)

1回の施術で、

  • 床に座った時の肩の後側痛が消失

  • 自転車姿勢での重さが解消

  • 肩をかばわず自然に座れる状態に回復

という明確な変化が確認された。

◆今後の方針と再発予防

ただし、神経は回復途中で再び圧迫されると再発しやすい。
姿勢分析では、

  • 広背筋の過緊張による右肩下制

  • 上半身の右回旋

が根本原因として残っていた。

再発防止のため、

  • 背中(胸椎)・腰(腰椎)・骨盤の歪み調整

  • 右肩が下がらない体の使い方の再教育

  • 長時間同じ姿勢を避け、姿勢を一度崩す習慣

 

が必要であることを説明した。
ストレッチではなく、「姿勢をリセットする」ことを重視した。

◆考察

四辺形間隙症候群は、
肩関節や首の異常がなくても発症する。

原因は、
腕の重さ × 姿勢 × 筋の引き伸ばし による神経圧迫であることが多く、
床座りや自転車など日常動作が引き金になるケースも少なくない。

本症例は、
「肩が悪い」「筋肉が硬い」という見方ではなく、
神経の通りと姿勢の関係を評価する重要性 を示す典型例である。

肩の後ろが痛む原因が、
必ずしも肩そのものにあるとは限らない。

座り方・腕の置き方・体の捻じれ。
それらが積み重なることで、
神経は静かに圧迫され、痛みとして現れる。

症状を繰り返さないためには、
「どこが痛いか」ではなく
「どの姿勢で負担がかかっているか」 を見直すことが重要である。

監修・執筆者情報:アールカイロプラクティックセンター 院長 菊池 竜

キネシオテーピング協会認定インストラクター
25年以上・延べ2万5千人以上の臨床経験

※本症例は一例であり、
すべての方に同様の経過が当てはまるわけではありません。
症状や生活背景により回復過程は異なります。

お気軽にお問合せください

フォームでのお問合せ、LINE、WEBからのご予約は24時間受け付けております。お気軽にご連絡ください。

友だち追加

新着情報

2025/12/23
2025/12/1
当院の12月の定休日は、5日(金)・7日(日)・12日(金)・14日(日)・19日(金)・21日(日)・26日(金)・28日(日)・30(火)・31(水)です。  
尚、年末年始の休業日は、12/30(火)~1/3(土)です。

アクセス・受付時間

住所・アクセス

〒154-0004
東京都世田谷区太子堂2-8-17
J88・SANGENJAYA202号室

東急田園都市線 三軒茶屋駅北口Bより徒歩6分

営業時間
 
午前 × ×
午後 × ×

平日10:00~19:00/土曜9:00~18:00

定休日

金曜・日曜・祝日・12/30~1/3

※LINE、フォームからのお問合せ、ご予約は24時間受付しております。

院長ごあいさつ

菊池 竜

親切・丁寧な対応をモットーとしておりますのでお気軽にご相談ください。