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【症例紹介46】ダンベルカールで肘の内側が痛む

—上腕骨内側上顆炎の背景にあった“大胸筋と姿勢の連動”の問題(40代男性・会社役員)

「肘の内側が痛くてトレーニングができない」
「ストレッチや鍼をしても、痛みが完全には取れない」

ジムでのトレーニング中に起きた肘の痛みは、
一般的に「使いすぎ」や「肘の炎症」と説明されることが多い。
しかし、一定期間が経っても痛みが残り、
特定の動作だけで繰り返し痛む場合、
肘そのもの以外に原因が存在しているケースも少なくない。

今回紹介するのは、
ダンベルカールをきっかけに右肘内側の痛みが続き、
日常生活やスポーツに制限が出ていた40代男性の症例である。

◆状況と背景(Before)

  • 40代男性・会社役員

  • 既往歴
     約1年前、ジムでのトレーニング中に右肩関節内部に痛みが出現。
     その後、肩周囲の筋トレを継続することで、
     最近は強い痛みは出なくなっていた。

  • 今回の症状の経過
     2か月ほど前、ジムでダンベルカールを行っている最中に、
     右肘の内側に痛みが出現。
     それ以降、痛みが完全に引くことなく続いていた。

  • 痛みの特徴
     ・指のしびれや動作不良はない
     ・肘を起点に腕を内側へ動かすと、
      肘内側の骨を中心に痛みが出る
     ・それ以外の動作では比較的問題ない

 発症初期には、
 肘の内側から小指の先まで軽い痛みを感じることもあったが、
 現在は肘内側の局所痛が主であった。

  • これまでの対応
     ストレッチや鍼治療を試み、
     多少の軽減はみられたものの、
     痛みが消失することはなく、
     トレーニングや日常生活に制限が出ていた。

◆検査と見立て

■ 局所所見

触診では、

  • 上腕骨内側上顆(肘の内側の骨)に明確な圧痛

  • 患部の表面温度は、左側に比べてわずかに高い

という炎症を示唆する所見が確認された。

筋肉テストでは、

  • 尺側手根屈筋

に機能低下がみられ、
力を入れると肘内側の痛みが再現された。

■ 総合評価

神経学検査・整形外科学検査を総合すると、
しびれや明確な神経障害はなく、
この症状は

過緊張した尺側手根屈筋が
繰り返し引き伸ばされることで、
上腕骨内側上顆への付着部を傷めた
上腕骨内側上顆炎(いわゆるゴルフ肘)

である可能性が極めて高いと判断した。

ただし、
「なぜこの筋が過緊張し続けていたのか」
という視点が、改善には不可欠であると考えた。

◆施術とアプローチ

施術は、
炎症の鎮静 → 筋機能の回復 → 原因の連鎖を断つ
という段階的な方針で行った。

■ 局所への対応

  1. 上腕骨内側上顆への炎症対応テーピング(EDFテープ)
     → 痛みと炎症の軽減を目的とした。

  2. 尺側手根屈筋へのキネシオテーピング療法
     → 過緊張を抑え、筋機能を回復。

再検査では、

  • 肘を起点に腕を内側へ動かしても痛みは消失

  • 局所の圧痛も明らかに軽減

という変化が確認された。

◆姿勢分析と原因の特定

痛みが取れた状態で、
次に「なぜ尺側手根屈筋が過緊張していたのか」を評価した。

姿勢分析では、

  • 上半身が右へ傾く

  • 体幹が右へ捻じれる

という特徴がみられた。

この姿勢で連動する筋を評価すると、
大胸筋に機能低下が確認された。

大胸筋は、

  • 肩を内側へ引く

  • 上腕の位置を左右する

という役割を持つため、
機能低下すると姿勢が崩れ、
前腕の筋に過剰な負担がかかりやすくなる。

◆連鎖の裏付け

大胸筋にキネシオテーピング療法を行ったところ、

  • 大胸筋の機能が回復

  • 姿勢分析でみられた
     右への傾き・捻じれがほぼ消失

という即時的な変化が確認された。

さらに詳しく話を伺うと、

  • 1年前に右肩を痛めた際も
     大胸筋トレーニング(ベンチプレス)中であった

ことが分かり、
大胸筋の問題が少なくとも1年以上前から存在していたことが示唆された。

◆結果と変化(After)

今回の施術で、

  • 肘内側の痛みは消失

  • トレーニング動作への不安が軽減

  • 姿勢の左右差が改善

という結果が得られた。

症状そのものだけでなく、
「なぜ起きたか」が明確になったことで、
再発への不安も軽減された。

◆今後の方針と再発予防

ただし、

  • 尺側手根屈筋

  • 大胸筋

の問題が再び強くなると、
同様の症状は再発しやすい。

そのため、

  • 尺側手根屈筋と大胸筋への
     キネシオテーピングの併用

  • ジムでのトレーニングフォームの見直し

  • 上半身の左右差を作りにくい身体の使い方

が再発防止には重要であると説明した。

それぞれ、
自宅でも再現できる貼り方を指導した。

◆考察

上腕骨内側上顆炎は、
肘の使いすぎだけが原因ではない。

本症例のように、

  • 肩・胸の筋機能低下

  • 姿勢の左右差

  • 前腕への代償的負荷

が重なることで、
肘に症状が集中するケースは臨床で珍しくない。

局所治療だけで改善しない場合、
より上流の筋と姿勢を評価する視点が必要である。

肘の内側が痛むとき、
その原因は肘だけにあるとは限らない。

身体の使い方と姿勢の連動を整えることで、
慢性的な痛みは変化する。

「なぜ治らなかったのか」を理解することが、
再発を防ぐ最短ルートである。

監修・執筆者情報:アールカイロプラクティックセンター 院長 菊池 竜

キネシオテーピング協会認定インストラクター
25年以上・延べ2万5千人以上の臨床経験

※本症例は一例であり、
すべての方に同様の経過が当てはまるわけではありません。
症状や生活背景、運動習慣によって回復過程は異なります。

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