【三軒茶屋駅】手足のしびれ・神経痛なら

アールカイロプラクティックセンター

〒154-0011 東京都世田谷区上馬5-35-25 JLBグランエクリュ三軒茶屋601号室
(東急田園都市線 三軒茶屋駅世田谷通り口より徒歩13分)

ご予約・お問合せはこちら

友だち追加

【症例紹介45】空手の上段蹴りで太もも裏が張る

—筋肉ではなく腰椎椎間板が原因だったケース(40代男性・会社員)

「ストレッチをすると太もも裏が張る」
「運動の特定の動作だけで違和感が出る」

こうした症状は、
多くの場合「筋肉が硬い」「柔軟性が足りない」と説明され、
ストレッチやマッサージが勧められることが多い。

しかし、
ストレッチをしても改善せず、
むしろ張り感が残り続ける場合、
原因は筋肉そのものではない可能性を考える必要がある。

今回紹介するのは、
空手の上段蹴りとストレッチ時にだけ左もも裏が張り続けていた40代男性の症例である。
検査を進めた結果、
その正体は 腰椎椎間板由来の坐骨神経症状であることが明らかになった。

◆状況と背景(Before)

  • 40代男性・会社員

  • 運動習慣:3か月前から週1回、空手を開始

  • 既往歴
     3〜4年前、整形外科で
     頸椎および腰椎の椎間板ヘルニアと診断。
     以降、けん引とマッサージのため週1回通院を継続していた。

  • 主な症状
     2か月前、前屈ストレッチを行った後から
     左太もも裏に張り感が出現。
     日常生活では気にならないが、
     ・空手の上段蹴り
     ・ストレッチ
     の際に、右と比べて左だけが張る。

  • これまでの対応
     通院中の整形外科では
     「もも裏の筋肉が硬い」と説明され、
     電気治療とマッサージを継続。
     しかし症状は一向に改善せず、
     原因に疑問を感じて来院された。

◆検査と見立て

■ 触診・筋機能評価

触診では、
左もも裏に右と比べて明らかな張りが確認された。

しかし、筋肉テストを行うと、

  • ハムストリングス自体には
     機能低下は認められなかった

一方、拮抗筋(反対の働きをする筋)である、

  • 大腰筋

  • 腸骨筋

には、明確な機能低下がみられた。

■ 神経学的評価

神経学検査では、

  • 左足の親指を反らす筋力が
     右と比べて明らかに低下

していた。

この所見は、
筋肉の柔軟性の問題ではなく、
神経由来の影響を強く示唆するものである。

◆見立ての整理(原因の構造)

検査結果を総合すると、
この症状は以下の構造で起きている可能性が極めて高いと判断した。

  • 腰椎5番と骨盤の間の椎間板が圧迫

  • 髄核が左側へ突出

  • それにより 坐骨神経が影響を受ける

  • 神経支配を受ける
     大腰筋・腸骨筋が機能低下

  • その結果、
     ハムストリングスが
     「張っているように感じる」

つまり、
張りを感じていた場所は太もも裏だが、
原因は腰椎椎間板と神経にあったという構造である。

◆施術とアプローチ

施術の目的は、
椎間板への圧迫を軽減し、神経と筋の連動を回復させることである。

  1. 腰椎5番と骨盤の歪み矯正
     → 椎間板にかかる負担を軽減。

  2. マッケンジーエクササイズ
     → 左側に偏位していた髄核を
      正常な位置へ戻す方向づけを行う。

再検査では、

  • 上段蹴り時の張りが
     「ほんの少し」まで軽減

  • 左足親指の筋力が回復

という明確な変化が確認された。

■仕上げの調整

手技細胞組織移動テストの結果、

  • 大腰筋のみを調整することで
     腸骨筋も同時に正常化する

ことが分かったため、

  1. 大腰筋へのキネシオテーピング療法
    を追加。

再度、上段蹴りを行ってもらうと、
もも裏の張りは完全に消失した。

◆結果と変化(After)

発症から約2か月が経過していたにもかかわらず、

  • 上段蹴りでの張り感が消失

  • 神経学的な筋力低下が改善

と、
1回の施術で大きな変化が得られた。

◆今後の方針と再発予防

ただし、
椎間板が完全に回復する前に
再び負担がかかると、
症状は再発しやすい。

再発防止のため、以下を共有した。

  • 姿勢や身体の使い方に合わせて歪んだ
     胸椎・頸椎の調整(次回以降)

  • 歪みに関連する筋肉・筋膜の調整

  • マッケンジーエクササイズの継続

特に、
ストレッチやマッサージで
大腰筋・腸骨筋をさらに緊張させないことが重要である。

◆その後の経過

ご自宅で
マッケンジーエクササイズを1週間継続したところ、

  • 上段蹴り時の張りは
     「少し気になるかな」程度にまで改善

したとのこと。

これにより、
「今回の症状はやはり腰椎椎間板由来だった」
と実感された。

また、
これまで受けていた
けん引やマッサージでは十分な効果がなかったため、
今後は頸椎椎間板ヘルニアも含め、
当院で根本的に整えていきたいとの意向を示された。

◆考察

太もも裏の張りは、
必ずしも太もも裏が原因とは限らない。

本症例のように、

  • 腰椎椎間板

  • 坐骨神経

  • 拮抗筋の機能低下

が重なることで、
張り感として末梢に現れることがある。

 

「筋肉が硬い」という説明だけでは、
なぜ改善しないのかを説明できないケースである。

ストレッチで張る太もも裏。
それは柔軟性不足ではなく、
神経由来のサインかもしれない。

原因を正しく見極め、
構造と神経の連動を整えることで、
長く続いた違和感は確実に変化する。

「なぜ治らないのか」
その答えを知ることが、再発を防ぐ第一歩である。

 監修・執筆者情報:アールカイロプラクティックセンター 院長 菊池 竜

キネシオテーピング協会認定インストラクター
25年以上・延べ2万5千人以上の臨床経験

※本症例は一例であり、
すべての方に同様の経過が当てはまるわけではありません。
症状や体質、競技特性によって回復過程は異なります。

お気軽にお問合せください

フォームでのお問合せ、LINE、WEBからのご予約は24時間受け付けております。お気軽にご連絡ください。

友だち追加

新着情報

2025/12/23
2025/12/1
当院の12月の定休日は、5日(金)・7日(日)・12日(金)・14日(日)・19日(金)・21日(日)・26日(金)・28日(日)・30(火)・31(水)です。  
尚、年末年始の休業日は、12/30(火)~1/3(土)です。

アクセス・受付時間

住所・アクセス

〒154-0004
東京都世田谷区太子堂2-8-17
J88・SANGENJAYA202号室

東急田園都市線 三軒茶屋駅北口Bより徒歩6分

営業時間
 
午前 × ×
午後 × ×

平日10:00~19:00/土曜9:00~18:00

定休日

金曜・日曜・祝日・12/30~1/3

※LINE、フォームからのお問合せ、ご予約は24時間受付しております。

院長ごあいさつ

菊池 竜

親切・丁寧な対応をモットーとしておりますのでお気軽にご相談ください。