【三軒茶屋駅】手足のしびれ・神経痛なら

アールカイロプラクティックセンター

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【症例14】“ストレッチだけが痛い”太もも裏と股関節の違和感

——試合後に現れる右腰の痛み、その裏にあった筋膜の連動

「走るのも問題ない。でも、ストレッチだけが痛い。」
スポーツ愛好家の間で、実はこの訴えは少なくない。
試合中や練習時には気にならないが、身体を伸ばすと違和感や痛みが出る――。

痛みが筋肉の炎症や損傷によるものであれば休息で回復するが、
“ストレッチの時だけ痛い”という場合、筋膜や神経の滑走不全・連動の乱れが背景にあることが多い。

今回は、右腰の痛みを主訴に来院されたサッカー経験者の40代男性の症例を紹介する。

◆状況と背景(Before)

  • 40代・男性・会社員

  • スポーツ歴:サッカー20年以上、現在も週末に社会人リーグで活動

  • 主訴
     走る・蹴る・ダッシュなどの動作では痛みはないが、
     前屈やストレッチ時に右太もも裏(ハムストリングス)の突っ張りと、右腰外側の痛みを感じる。

  • 経過
     試合後2〜3日すると右腰がじんわりと重く、椅子に座っているとズンと痛みが出る。
     整形外科では「筋膜性腰痛」と診断され、湿布とストレッチ指導を受けたが変化は乏しかった。
     10年前にも同様の違和感を繰り返しており、「癖になっている」と感じていた。

◆見立てと気づき

ストレッチで痛む=筋肉が硬い、とは限らない。
検査を進めると、右ハムストリングスの伸張時に骨盤の動きがロックされ、
同時に右腸腰筋と左大腿筋膜張筋のアンバランスが明らかとなった。

具体的な所見:

  • 右ハムストリングスの滑走制限(筋膜の引きつり)

  • 右腸腰筋の緊張増大による骨盤前傾の偏り

  • 左側体部の短縮と呼吸時の肋骨可動制限

  • 股関節伸展時に右殿筋群の遅延収縮

これらの状態から、「筋肉の柔軟性」ではなく連動不全が痛みの本質と判断。
動かす側(右脚)と支える側(左軸脚)のアンバランスにより、
右腰へ負荷が集中する“筋膜の連鎖的歪み”が形成されていた。

◆施術とアプローチ

施術方針は「柔軟性を上げる」ではなく、「動きの連携を取り戻す」こと。

  1. 骨盤の回旋バランス調整(流体筋膜動可法)
     → 腸腰筋・殿筋・大腿筋膜張筋を含む骨盤周囲の滑走を回復。

  2. ハムストリングスへのキネシオテーピング+筋膜スラッキング
     → 皮膚刺激により筋膜の滑走性を高め、ストレッチ時の“引きつり”を解除。

  3. 呼吸連動エクササイズ(横隔膜×骨盤底筋)
     → 体幹の支持バランスを整え、右腰の過負荷を減少。

強い圧やストレッチは行わず、神経反射を利用して自然な可動性を回復させるアプローチを取った。

◆結果と変化(After)

初回施術後、「ストレッチしても太もも裏の突っ張りが消えた」「腰の奥の重さがなくなった」と変化を実感。
2回目の施術では、「練習翌日の違和感が出なくなった」との報告があった。

継続的な変化として:

  • 前屈可動域の拡大(−15cm → 0cm)

  • 右腰外側の圧痛消失

  • 骨盤の傾き改善により、歩行時の左右バランスが安定

「10年ぶりに身体が軽い」「走る時の安定感が違う」との感想が印象的であった。

◆今後の方針と再発予防

再発予防には、“筋膜ライン全体の再教育”が不可欠である。
特に、ハムストリングスと腸腰筋・殿筋の協調を保つことが重要。

具体的には:

  • 体幹と下肢を連動させるブリッジエクササイズ

  • ストレッチ前後の呼吸リズム調整

  • 試合後のセルフスラッキング(皮膚刺激による筋膜調整)

  • 過剰な静的ストレッチの制限と、動的ウォームアップへの切り替え

「痛みがなくなったら終わり」ではなく、“正しい使い方を記憶させる”期間を設けることで再発を防ぐ。
今後は月1回のメンテナンスを継続し、動きの質を安定させる予定である。

◆考察

この症例は、典型的な筋膜連鎖のアンバランスによる運動痛であった。
ハムストリングスの硬さそのものよりも、腸腰筋・殿筋との協調が失われた結果、
一部の筋膜に過剰な張力がかかっていたと考えられる。

臨床カイロプラクティック領域でも、ストレッチ時の痛みが“筋膜滑走不全”に起因する報告は多い。
また、筋膜の異常緊張は神経受容器の過敏化を引き起こし、
「筋肉が痛い」と感じるメカニズムを複雑化させることが知られている。

つまり、筋肉ではなく“動作そのもの”を整えることが本質的な改善につながる
痛みは「体の使い方の歪み」を教えてくれるサインである。

試合では問題がないのに、ストレッチだけで痛い。
それは、筋肉の柔軟性ではなく、動きのつながりに潜むズレが原因である。

体は全体で一つのシステムとして動いている。
どこか一部が硬くなれば、その代償が別の場所に現れる。
痛みを取ることにとどまらず、連動を取り戻すことが本来の機能回復である。

早めの調整で、もう一度「動ける身体」を手に入れてほしい。

監修・執筆:アールカイロプラクティックセンター 院長 菊池 竜
キネシオテーピング協会認定インストラクター。
25年以上の臨床経験、延べ2万5千人以上の施術実績。
神経・筋・内臓・姿勢を統合して整える自然療法を実践。

※ここで紹介した内容は一例であり、すべての方に同じ変化が起こるとは限りません。
症状や体質により経過は異なるため、参考情報としてご覧ください。

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2025/12/23
2025/12/1
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