【三軒茶屋駅】手足のしびれ・神経痛なら

アールカイロプラクティックセンター

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【症例紹介12】お尻から足への痛み

——実は“手術後の呼吸のクセ”が原因だった意外なケース(60代男性)

「「歩くとお尻の奥が痛む」「座るとズーンと痺れる」——

こうした訴えを耳にすると、多くの方は「坐骨神経痛」や「腰のヘルニア」といった腰部の問題を想像する。
しかし臨床では、腰以外の要因——特に“呼吸のクセ”が原因で痛みが再発しているケースが少なくない。

今回は、数年前の手術をきっかけに呼吸パターンが変わり、骨盤や神経の動きに影響していた60代男性の症例を紹介する。

◆状況と背景(Before)

  • 60代・男性・会社員
  • 主訴
     左のお尻から足にかけての痛み(特に歩行中や座位時に悪化)
     座っていると痺れ感が強まり、動くと一時的に軽減する。
     時々、左足の裏にも違和感を感じる。

  • 経過
     2〜3年前から痛みが出現。整形外科ではレントゲン・MRI検査を受け、「明確な異常はなし」と言われるも、
     「椎間孔狭窄症の可能性」と説明を受けた。
     湿布・鎮痛薬で経過観察するも改善せず。
     4〜5年前には胆嚢の摘出手術(腹部の大きな切開)を経験しており、それ以降「呼吸が浅い」と周囲から指摘されていた。

「足の痛みは腰のせいだと言われたけど、治療しても変わらない。
呼吸が浅く、体が全体的に硬くなっている気がする」と話していた。

◆見立てと考え方

姿勢評価では、左仙腸関節のねじれと骨盤の後傾が顕著であった。
さらに、左肋骨がわずかに持ち上がったまま前方へ固定され、腹部の伸展が制限されていた。

筋力テストでは、梨状筋・大腿筋膜張筋の機能低下が見られ、
動作時に骨盤周囲の安定性が失われることで、坐骨神経走行部への圧迫が生じていたと考えられる。

特に注目すべきは、手術による右肋骨の癒着と呼吸の非対称性である。
呼吸のたびに右肋骨が十分に開かず、左側だけで浅い呼吸を繰り返す状態が続くことで、
横隔膜・腹斜筋・腸腰筋などの連動が乱れ、結果として骨盤の回旋や梨状筋への過負荷が発生していた。

総合的には、

梨状筋症候群(坐骨神経圧迫)+術後癒着による呼吸機能の偏り
=呼吸運動が骨盤の動きに影響した結果、神経走行部に圧迫が残存していた
と判断した。

◆ 施術とアプローチ

施術では「梨状筋をゆるめる」ことを目的にせず、
なぜ梨状筋が緊張せざるを得なかったのかという原因構造に焦点を当てた。

  1. 肋骨・横隔膜の可動性調整+キネシオテーピング+筋膜スラッキング
     → 呼吸の左右差を整え、腹部から骨盤にかけての連動を回復。

  2. 左骨盤後傾の修正と歩行リズム再教育
     → 仙腸関節の動きを取り戻し、臀部の負担を軽減。

  3. 助骨呼吸の再訓練(胸式から腹式への誘導)
     → 呼吸と骨盤運動の協調性を回復し、慢性的な坐骨神経圧を解除。

いずれも強い圧迫や刺激を避け、皮膚刺激を通じて神経と筋の自然な反応を引き出す方法を採用した。

◆結果と変化(After)

初回施術後、「歩いていても足がスッと出る」「座っても奥の痛みが軽い」と変化を実感。
腹部の伸展が出て呼吸が深くなり、「体が軽く感じる」との感想が得られた。

数回の施術で、

  • 歩行時の骨盤回旋がスムーズになり、足の振り出しが安定

  • 座位時の坐骨神経圧迫感が軽減

  • 胸郭と腹部の連動が戻り、呼吸が自然に深まる
    といった全身的な改善が確認された。

痛みの再発要因であった「呼吸と姿勢のアンバランス」が整い、
神経伝達の回復と筋連動の再構築が進んだことが臨床的に明確であった。

◆今後の方針と再発予防

  • 構造上の課題として、

    • 手術による腹部の癒着

    • 呼吸時の片側優位な動き

    • 胸郭・骨盤の回旋差
      が残存していたため、再発予防では以下を重点とした。

    • 胸郭と骨盤を連動させる筋膜テーピング+呼吸法

    • 呼吸に合わせた骨盤底筋・腹斜筋のエクササイズ

    • 体幹・大腿筋膜張筋の柔軟性維持と歩行リズムの再教育

    「腰を治す」よりも、「呼吸で体を動かす」意識を身につけることが最大のポイントである。
    呼吸が浅いままでは、再び神経が圧迫されやすくなるため、“動きの中心を取り戻す呼吸”を継続的に指導した。

◆考察

本症例のように、手術後の癒着や呼吸の非対称性が原因で痛みが残存するケースは、臨床カイロプラクティック領域でも報告されている。
呼吸は単なる生理的動作ではなく、骨盤・脊柱・横隔膜をつなぐ全身のリズム運動であり、わずかな偏りが神経機能へ影響を及ぼす。

特に腹部の手術歴がある場合、癒着や呼吸筋群の不均衡が慢性の臀部痛や坐骨神経痛の再発要因となる。
本症例はまさにその典型であり、痛みの根本改善には「呼吸と構造の再統合」が欠かせないことを示している。

「腰の検査では異常がないのに、足が痛い」「姿勢が崩れると息苦しい」——
それは単なる筋肉や骨の問題ではなく、体の内側の“動きの記憶”が乱れているサインかもしれない。

呼吸が整えば、体は自然に回復へ向かう。
痛みの出る場所ではなく、動きの起点を整えることが、再発防止と本質的な改善の鍵である。
早めの調整が、再び「呼吸と動きがつながる」健やかな毎日への第一歩となる。

監修・執筆:アールカイロプラクティックセンター 院長 菊池 竜
キネシオテーピング協会認定インストラクター。
25年以上の臨床経験、延べ2万5千人以上の施術実績。
神経・筋・内臓・姿勢を統合して整える自然療法を実践。

※ここでご紹介した内容は一例であり、すべての方に同じ経過や変化が当てはまるわけではありません。
症状や体質によって感じ方は異なるため、参考情報としてご覧ください。

「痛みのある部位じゃないところが原因だった…」
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