【三軒茶屋駅】手足のしびれ・神経痛なら

アールカイロプラクティックセンター

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【症例紹介35】「息を吸うと背中と肋骨が痛む」

—長時間フライト後の姿勢と強いマッサージ刺激が引き起こした関連痛のケース(50代女性・会社員)

「背中や肋骨がズキッと痛む」
「寄りかかれない」「寝返りで目が覚める」
このような症状が出ると、内臓や骨の異常を疑い、不安になる方は少なくない。

実際、胸部の痛みや息苦しさがあると、
まずは病院での検査を受けることが多いだろう。
しかし、検査で異常が見つからないにもかかわらず痛みが続く場合、
姿勢・筋肉・神経の反応が複雑に絡み合って起きている痛みであるケースも多い。

今回は、海外からの長時間移動後に背中と肋骨の痛みが出現し、
検査では異常なしとされた50代女性の症例を紹介する。

◆状況と背景(Before)

  • 50代女性・会社員

  • 既往歴:高血圧で通院中、降圧剤を服用

  • 症状の経過
     1週間前、朝起きた時から左の背中と肋骨に痛みが出現。
     前かがみ姿勢や、右側を下にして横向きに寝て背中を丸めていると楽だが、
     それ以外の姿勢では常に痛みがあった。

 とくに
 ・後ろに寄りかかろうとすると強く痛む
 ・寝返りで痛みが出て目が覚める
 ・仰向けでは最初は痛むが、しばらくすると落ち着く

 という特徴があった。

  • 発症前の出来事
     9日前、海外から約13時間のフライトで帰国。
     その後2日ほど背中に軽い違和感があった。
     痛みが出る前日、
     背中を丸めた姿勢のまま、電動ハンディマッサージ機を
     約80分間(40分×2回)使用し、背中を叩くように刺激していた。

  • 医療機関での検査
     念のため病院を受診し、胸部レントゲン・血液検査を受けたが、
     いずれも異常なしと診断された。

◆検査と見立て

触診では、
左肩甲骨の下あたりに右と比べて明らかな張りと圧痛が確認された。
また、みぞおちの左側にある肋骨の表面は、
軽く押しただけでもはっきりとした圧痛があった。

筋肉テストでは、

  • 下部僧帽筋(肩甲骨下部の安定に関与)

  • 腹直筋(肋骨と骨盤をつなぐ体幹前面の筋)

に機能低下がみられた。

姿勢分析および整形外科学検査を総合すると、
この背中と肋骨の痛みは次のメカニズムで起きている可能性が高いと判断した。

◆見立ての整理(痛みの構造)

  • 長時間の座位姿勢や日常の姿勢習慣により、
     腹直筋が慢性的に過緊張していた

  • 背中を丸めた姿勢のまま長時間マッサージ刺激を加えたことで、
     腹直筋のトリガーポイントが活性化し、肋骨への関連痛が発生

  • 腹直筋と連動する胸の筋肉が肩を前方へ引き、
     後方で常に引き伸ばされていた下部僧帽筋
     マッサージ機で叩いたことで、さらに伸張ストレスが加わった

  • その結果、
     後ろに寄りかかる・寝返りなど
     下部僧帽筋を急に収縮させる動作で痙攣様の痛みが起きていた

 

つまり、骨や内臓ではなく、
姿勢 × 筋連動 × 強い外部刺激が重なって起きた痛みであると判断した。

◆施術とアプローチ

施術の目的は、
筋の異常な緊張と神経の過敏状態を鎮め、
身体が自然に動ける状態へ戻すことであった。

  1. 腹直筋・下部僧帽筋へのキネシオテーピング療法+筋スラッキング療法
     → 筋硬結と痙攣反応を緩和し、
      再検査では肩甲骨下部の張り・圧痛、肋骨表面の圧痛が軽減。
      後ろに寄りかかる、仰向けになる動作での痛みが消失。

  2. 胸椎(背中)に見られた歪みの矯正(4ヶ所)
     → 腹直筋を過緊張させる要因を除去。

  3. 副神経への末梢神経マニピュレーション
     → 僧帽筋に関与する神経の過敏状態を調整。
      大きく息を吸った時の痛みと息苦しさが完全に消失。

◆結果と変化(After)

来院時点で徐々に回復傾向にはあったが、
施術後には

  • 背中・肋骨の痛みが消失

  • 寄りかかり・仰向け・寝返りでの痛みがなくなる

  • 深呼吸時の息苦しさが解消

と、症状はその場で完全に落ち着いた。

◆今後の方針と再発予防

ただし、
腹直筋や下部僧帽筋が十分に回復しないまま、
再び同じ姿勢や強い刺激が加わると再発する可能性がある。

姿勢分析では、

  • 頭部の前方移動

  • 骨盤の後傾

が確認され、
背中が丸まりやすく、腹直筋を過緊張させ、
下部僧帽筋を常に引き伸ばしやすい状態であった。

再発防止のため、
今後は

  • 骨盤と背骨の歪み調整

  • とくに今回できなかった 腰椎・頸椎の矯正

  • 歪みに関連する筋肉・筋膜の調整

を段階的に行う必要があることを説明した。

◆考察

背中や肋骨の痛みは、
必ずしも骨折や内臓疾患が原因とは限らない。

本症例のように、

  • 長時間移動

  • 姿勢の崩れ

  • 強すぎるマッサージ刺激

が重なることで、
筋と神経の反応が過剰になり、
痛みとして表面化することがある。

臨床では、
「何が悪いか」ではなく「なぜ今それが起きたか」
を読み解くことが、正しい対応につながる。

息を吸うと背中や肋骨が痛む症状は、
思わぬ日常動作や刺激が引き金になっていることがある。

検査で異常がない場合でも、
姿勢・筋・神経の連動を丁寧に整えることで、
痛みは速やかに変化する。

不安を抱えたまま我慢せず、
原因を正しく見極めることが、回復への最短ルートである。

監修・執筆者情報:アールカイロプラクティックセンター 院長 菊池 竜

キネシオテーピング協会認定インストラクター
25年以上・延べ2万5千人以上の臨床経験

※本症例は一例であり、
すべての方に同様の経過が当てはまるわけではありません。
症状や生活背景により回復過程は異なります。

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