【三軒茶屋駅】手足のしびれ・神経痛なら

アールカイロプラクティックセンター

〒154-0011 東京都世田谷区上馬5-35-25 JLBグランエクリュ三軒茶屋601号室
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“効かせる”とは何か?——その問いが心に残った一日

2025年10月19日(日)、「第41回キネシオテーピング学術臨床大会」が大阪にて開催された。

春の岡山大会に続く今年2回目の開催で、全国の施術者・教育者・研究者たちが再び一堂に会し、
「貼る」という行為の臨床的意味、可能性、そして“人としての関わり”を再考する機会となった。

冒頭の会長あいさつでは、こんな言葉があった。

「“意識高い系”ではなく、“質が高い系”を目指してほしい。」

印象的だったこの一言が、今回の大会全体の空気を象徴していたように思う。
知識や発信に走るのではなく、目の前の1人に対して、どれだけ深く、正確に、誠実に応えられるか。
その姿勢こそが臨床家としての本質であることを、あらためて問い直された。

とくに神経学から気になった研究発表はこちらの3つでした。

 

  1. 部位別に見た疼痛軽減効果の差異

  2. 年代によるテーピング反応の変化と神経老化

  3. 糖尿病患者における末梢神経障害とテープ反応性

いずれも、皮膚の感覚受容器の分布や、加齢・疾患に伴う神経伝導の変化といった神経学的な観点から、
テープの“効き方の違い”に迫る内容だった。

たとえば高齢になると、「痛み」や「冷たさ・熱さ」といった感覚をとらえる神経の働きが徐々に低下してくる。
あわせて、皮膚の表面に分布する“センサー”のような神経の末端(神経終末)も減少する傾向にあるため、
テープを貼った際の刺激に対する反応が鈍くなりやすくなる、という特徴がある。
糖尿病を長く患っている場合、血糖値の高さが神経をじわじわと傷つけていくことがある。
とくに手足の神経では、「痛み」や「触れられた感覚」を脳に届ける信号が弱まり、
外からの刺激にうまく反応できなくなる状態(糖尿病性末梢神経障害)が起こりやすい
その結果、キネシオテープによる刺激も“届きにくい”ケースがあるという報告であった。

つまり、「効かない」わけではない。
“感じ取り方が変わっている”ことに、私たち施術者がまだ気づけていなかっただけなのだ。

会長講演:「ノリ(海苔)」としてのテーピング

会長講演では、次のような言葉が投げかけられた。

「海苔はそのままでも食べられるけど、巻くものによって味が引き立つ。
キネシオも、何と組み合わせるかで本当の価値が生まれる。」

キネシオテープは素材にすぎない。
他の手技・思想・触れ方と“カップリング”されて初めて、その真価が発揮される。

貼るだけではなく、
どう貼るか・なぜ貼るか・誰に貼るかという問いがあって初めて、
“治療”としての機能を果たす。

「効かない」のではなく、「効かせていないだけ」

会長総評の中で何度も語られたのが、この言葉だった。

「効かないんじゃない。効かせられていないだけなんだよ。」

年齢や病気、皮膚の状態を理由に「効かない」と諦めていないか。
本当に必要なのは、施術者側の“見立て直し”と“届け方の再設計”である。

「貼る」のではなく「届かせる」ために、どんな技術・声がけ・空間を用意するか。
その工夫と問いこそが、“効かせる”という臨床の本質であると感じた。

ワークショップで印象的だった「チャップテープ」と「爪テープ」

ワークショップにおいて実施されたチャップテープによる関節可動域の変化に関する実験には、私自身もデータ提供者として協力している。
実際に参加者同士で貼り合いながら、その場で関節の動きや可動範囲の変化を確認したが、自分の身体でその効果を明確に実感できたことが強く印象に残っている。
数秒間で動作に変化が現れる即時性と、わずかな刺激で身体が反応する繊細さは、従来のテーピングとの違いを如実に示していた。
「貼る」というより「導く」感覚に近く、皮膚・神経・意識の三者をつなぐ新しいアプローチとして、今後の臨床応用が期待される技術である。

 

また、刺激の届け方という点では、「爪キネシオテーピング」にも強く惹かれた。
爪は神経密度の少ない部位でありながら、わずかなテープ刺激でも三角筋の筋力テストに有意な変化が出る症例が報告されていた。
神経反射や経絡的視点に基づくアプローチとして、皮膚以外からの刺激伝達の可能性を感じさせる内容であった。
“皮膚以外にも届く”という発想は、刺激を「感じさせる」から「情報として届ける」フェーズへと移行しつつあることを示している。

最後に

この大会を通じて、私はあらためてこう感じた。

キネシオテープは道具ではない。それを“どう届けるか”という姿勢である。

明日また誰かにテープを貼るとき、私はこう問い直したい。

「私は本当に、“効かせよう”と思って貼っているだろうか?」

「貼った」ではなく「届いた」と言えるように。
その人の“感じる力”に、そっと触れられるように。

そのために、これからも探究と実践を重ねていきたい

アールカイロプラクティックセンターでは、
キネシオテーピングを単なる対症療法ではなく、
神経・皮膚・感覚を通じて“回復力”を呼び覚ます並走型の技術として提供しています。

貼る前の見立て、貼るときの手の感覚、貼った後の変化——
そのすべてを大切にしながら、「届くケア」を探求しています。

気になる症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

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2025/10/30
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