──イントロ講座レポート(近代3種・第2弾)
「テープがうまく効かない」「症状が戻ってしまう」
そんな時、見落としがちな“芯”にこそ、解決のヒントがあるかもしれません。
今回のテーマは、アールカイロの臨床軸として位置づけているキネシオテーピング × カイロプラクティック。
治療家なら誰しも通る「背骨」へのアプローチ。
ただし今回は“ポキポキしない”背骨の見方と、筋肉・筋膜・神経のルートをどうテープで調整するかを深く掘り下げる時間となりました。
カイロプラクティックとは何か? テープで何ができるのか?

講師による冒頭の問いかけが、すべてを象徴しています。
「ズレている」ではなく「動いていない」をどう見るか?
そして“矯正しない”方法で背骨を整えるには?
背骨の歪み=サブラクセーションを「神経の通り道=椎間孔」に注目し、圧迫を取るという思想で考えるカイロプラクティック。
ただ、今回はそれを“手技なし・ポキポキなし”でキネシオテーピングだけでどう整えるか?を追求しました。
テーピングで背骨を整える──3つのポイント
①「触って、動かして、見つける」
頸椎〜胸椎〜腰椎と、動かない箇所=不具合の根源を触診で探る練習から始まりました。
「動かない背骨はどこか?」「それに関わる筋肉は?」という“流体筋膜+神経伝達”の理論を軸に、
動きの偏りを確認しながら、テープでどこを引き込むべきかを具体的に実践。
②「症状の奥にある“圧力”を見る」
めまいや耳鳴りに関与するとされる胸椎10番に対し、
背面の筋肉ではなく、前面にある横隔膜や内臓からの圧力をどう読むか。
「押されているのは背中。でも本当に問題なのはお腹側」という視点を持つことで、
“貼る位置”のセンスが磨かれました。
③「整形学的検査では捉えきれない“神経支配”を見る」
腰椎のねじれに対し、大腰筋や腸骨筋などの筋肉の不均衡が背骨を引いている事例では、
筋力テストや圧痛、可動性を確認しながら、テープで“弱い筋肉を働かせる”ことで背骨を整える過程を体感しました。
テープの可能性を広げる──“背骨”への応用
今回の学びで強く印象に残ったのは、
「矯正しなくても、整える手段はある」
「力でなく、流れと仕組みを整える」
というメッセージでした。
キネシオテープは、単に「筋肉をサポートするもの」ではなく、
神経伝達や内臓の圧力、関節の空間といった“システムそのもの”にアプローチするツールである──。
これまでアールカイロでも行ってきた施術の裏付けを、改めてできた実感があります。
カイロプラクティックの原点と、それを違う土俵にも応用できるキネシオの柔軟性。
この2つが交差することで、「その場限りの変化」ではなく“根本的な調整”が可能になる。
そんな手応えを感じた時間でした。