【三軒茶屋駅】手足のしびれ・神経痛なら

アールカイロプラクティックセンター

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【症例紹介20】右手の握力が落ちた

——その原因は“首の筋肉”にあった(50代男性)

「最近、ペットボトルのキャップが開けにくい」
「右手の握力が落ちた気がする」

こうした違和感を訴える方の多くは、手や腕の使いすぎを疑う。
しかし実際には、首の深層筋や神経の圧迫が原因となっていることが少なくない。

今回は、明確な手の痛みがないにもかかわらず、右手の握力低下が続いていた50代男性のケースを紹介する。
問題は「手」ではなく、「首の筋肉」に隠れていた。

◆状況と背景(Before)

  • 50代・男性・営業職

  • 主訴
     右手の握力低下。細かい動作がしづらく、長時間のデスクワーク後に違和感が強くなる。
     痛みやしびれはないが、右手の指が以前よりも動かしにくい。

  • 経過
     約1年前から「手に力が入りにくい」と感じ始め、徐々に悪化。
     整形外科で検査を受けたが、明確な異常は見つからなかった。
     筋トレやマッサージを試したものの改善せず、「年齢のせい」と思い込み放置していた。

握力計で測定すると、左:40kg/右:25kg。

本人は「日常生活に支障はないけれど、違和感が気持ち悪い」と訴えていた。

◆見立てと気づき

検査を進めると、右手だけでなく右肩〜鎖骨下〜首のラインにかけて筋緊張が強く、
特に前斜角筋(首の奥で神経や血管が通る筋)の過剰収縮が確認された。

触診時、鎖骨の内側を軽く押すと右手の感覚が鈍くなり、力が入りにくくなる。
この反応は、腕神経叢(首から出る神経束)への圧迫が生じていることを示していた。

加えて、右肩甲骨の可動制限と肋骨上部の固定も確認。
首〜肩〜胸郭の連動性が失われていたことで、神経の滑走が阻害されていた。

つまり、この方の握力低下は単なる筋力の衰えではなく、

「首の深層筋が神経の通り道を圧迫し、手の筋肉への信号が届きにくくなっていた」
という神経伝達不全型の握力低下と判断した。

◆ 施術とアプローチ

施術では、神経の通りを妨げていた斜角筋群と鎖骨周囲の滑走を回復させることを目的とした。

  1. 前・中斜角筋のリリース(流体筋膜動可法)
     → 神経・血管の通過路を広げ、圧迫を軽減。

  2. 鎖骨下筋・小胸筋のキネシオテーピング
     → 皮膚刺激で神経反射を整え、肩〜腕の動きを誘導。

  3. 呼吸と肩甲骨の連動再教育
     → 深呼吸時に胸郭が広がるように誘導し、斜角筋の過活動を防ぐ。

施術は強い刺激を加えず、神経・筋膜の“通り”を回復させることを最優先とした。

◆結果と変化(After)

初回施術後、右手のしびれ感が軽減し、「少し握りやすくなった」と変化を実感。
2回目の施術後には、

  • 握力計:右手 25kg → 33kgに回復

  • 肩の重さが消え、首の可動域が拡大

  • タイピングやドアノブ操作がスムーズに

4回目の施術時には左右差がほぼ解消し、
「仕事中にペンを持つ指の感覚が明確になった」との報告を得た。

筋肉そのものを鍛えたわけではなく、神経伝達が回復したことで自然に力が入るようになったことが分かる。

◆今後の方針と再発予防

再発防止のため、以下のセルフケアを指導した。

  • デスクワーク中の胸郭ストレッチ(1時間ごとに呼吸とともに肩を動かす)

  • 鎖骨下〜首すじへの軽いマッサージを朝晩1分ずつ

  • 深呼吸を利用した姿勢リセット法

特にデスクワーク時の猫背姿勢は、首前方の筋群を過剰に緊張させる。
「姿勢を正す」よりも「呼吸を通す」意識を持つことで、首への負担を減らすよう指導した。

◆考察

握力低下の原因は必ずしも手や腕にあるとは限らない。
臨床では、首の筋群(特に斜角筋・胸鎖乳突筋)による神経圧迫が大きく関わることがある。

腕神経叢は首から鎖骨の下を通り、腕へと分岐する。
このルート上での圧迫は、筋力低下や感覚鈍麻、血行不良を引き起こす。

一般的な筋トレやマッサージでは改善が難しく、
神経・筋膜・呼吸の統合的アプローチが不可欠である。
本症例は、首の筋肉の調整によって「握力が戻る」という機能的改善が得られた貴重な一例である。

「手の力が入らない」「でも痛くない」
そんなときこそ、体の“別の場所”を見直す必要がある。

首の深層筋が硬くなると、神経の通り道が狭まり、腕や手の動きに影響を及ぼす。
つまり、「動かす力」ではなく「伝える力」が落ちているのだ。

神経の通りを整えれば、体は自然に力を取り戻す。
“使いすぎ”ではなく“通りにくさ”に気づくことが、回復への第一歩である。

監修・執筆:アールカイロプラクティックセンター 院長 菊池 竜
キネシオテーピング協会認定インストラクター。
25年以上の臨床経験、延べ2万5千人以上の施術実績。
神経・筋・内臓・姿勢を統合して整える自然療法を実践。

※ここで紹介した内容は一例であり、すべての方に同じ経過が起こるとは限りません。
症状や体質により経過は異なるため、参考情報としてご覧ください。

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2025/12/23
2025/12/1
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