【三軒茶屋駅】手足のしびれ・神経痛なら

アールカイロプラクティックセンター

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【症例17】「朝起きたら、首が動かない」

——肩甲骨まで広がる痛みの背景にあったもの(40代女性)

「寝違えたのかな」「枕が合わなかったのかも」
朝、突然首が回らなくなったとき、多くの人はそう考える。

しかし実際には、単なる寝違えではなく、神経の圧迫や筋膜の滑走不全が背景にあることも少なくない。
今回紹介するのは、首の動きの制限から肩甲骨まで広がる痛みを訴えた40代女性の症例である。
原因は筋肉の炎症ではなく、「神経の通り道」に生じた小さな歪みだった。

◆ 状況と背景(Before)

  • 40代・女性・デスクワーク中心

  • 主訴
     朝起きたときから首を回せず、右に振り向くと強い痛み。
     痛みは首から肩甲骨、腕の付け根あたりまで広がっていた。

  • 経過
     以前から肩こりを自覚していたが、ここまで強い痛みは初めて。
     整形外科では「軽い筋肉の炎症」と診断され、湿布で様子を見るよう指示された。
     2〜3日経っても改善せず、寝返りを打つのも困難。
     「じっとしていれば何とかなるけど、動かすと激痛が走る」と不安を抱えて来院。

5ヶ月ほど前にも似た症状を経験しており、「また再発かもしれない」と感じていたという。

◆見立てと気づき

検査の結果、左頚椎C5〜C6周辺での可動制限と圧痛を確認。
頚部の前方屈曲や側屈で痛みが再現し、神経根の圧迫サインが見られた。

また、僧帽筋上部〜肩甲挙筋の強い緊張があり、
左右差を比較すると、明らかに左側の筋活動が過剰であった。

さらに、肩甲骨内縁に沿って頚神経から分岐する末梢神経(肩甲背神経)の圧迫反応が確認された。
これは、単なる「首のこり」ではなく、

「神経の通り道である筋膜の滑走が滞り、血流と神経伝達が阻害されていた」
という神経滑走不全型の寝違えであると判断した。

◆施術とアプローチ

施術では、「動かす」「押す」ではなく、神経の滑走を回復させることに焦点を置いた。

  1. 頚椎C5〜C6間の流体筋膜動可法による調整
     → 神経根の出口部の可動性を回復し、圧迫を解除。

  2. 肩甲挙筋・僧帽筋上部へのキネシオテーピング
     → 皮膚刺激による神経反射を利用し、筋緊張を緩和。

  3. 呼吸連動エクササイズ(胸郭・鎖骨可動化)
     → 呼吸とともに肩甲骨の動きを引き出し、筋膜の滑走性を高める。

施術はすべて軽刺激で行い、体が自然に「動きを思い出す」ことを目的とした。

◆ 結果と変化(After)

初回後、「少し動かせるようになった」と可動域に変化が見られた。
翌日には痛みが約半分に軽減し、日常生活動作(洗顔・着替え)が可能になった。

3回目の施術時には、

  • 首の可動域が左右対称に近づく

  • 肩甲骨の動きが滑らかになる

  • 頭痛・肩甲間部の重だるさが解消

「朝の支度がスムーズにできるようになった」「痛みが怖くなくなった」との言葉が印象的であった。

症状の軽減に伴い、本人も「根本的に体を整えたい」と感じるようになり、
予防を目的とした月1回のメンテナンスに移行した。

◆今後の方針と再発予防

頚部〜肩甲骨周囲の安定化と再発防止のため、以下を指導した。

  • スマートフォン操作時の姿勢指導(頭部前方位の防止)

  • 呼吸と連動する肩甲骨可動エクササイズ(毎朝1分)

  • 就寝時の枕位置の調整と寝返り誘導法

また、再発を防ぐには、神経と筋膜の「滑走性」を保つ習慣が欠かせない。
「ほぐす」よりも「通す」を意識することが重要であると説明した。

◆考察

首や肩甲骨の痛みは、筋肉の硬さだけでなく、
神経の通り道に生じる滑走不全や血流障害によって引き起こされることがある。

特にデスクワークやスマートフォン操作など、長時間の前屈姿勢は、
頚椎の可動性を奪い、神経を圧迫しやすい状態をつくる。

臨床カイロプラクティックの立場からは、
神経・筋・姿勢の三位一体アプローチが再発予防に不可欠である。
本症例は、痛みを取ること以上に「動きの再教育」が重要であることを示した好例であった。

「朝起きたら首が動かない」
その痛みは、寝方や枕だけが原因ではないかもしれない。

神経の通りが悪くなり、筋膜の滑りが滞ることで、首は動かなくなる。
しかし、体は正しい刺激を与えれば必ず回復に向かう。

痛みを繰り返す前に、「神経が通る・呼吸が通る・動きが通る」身体を整えることが、
快適な朝を取り戻す第一歩である。

監修・執筆:アールカイロプラクティックセンター 院長 菊池 竜
キネシオテーピング協会認定インストラクター。
25年以上の臨床経験、延べ2万5千人以上の施術実績。
神経・筋・内臓・姿勢を統合して整える自然療法を実践。

※本記事の内容は一例であり、すべての方に同じ経過が起こるとは限りません。
症状や体質により経過は異なりますので、参考情報としてご覧ください。

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2025/12/23
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