なぜ「痛み」は長引くのか?
〜脳と“ご褒美システム”の深い関係〜
昨日の朝、「局所神経学:痛みの探究」という専門セミナーを受講しました。
今回のテーマは、「慢性的な痛みと脳の働き」について。
私たちが普段向き合っている“なかなか治らない痛み”には、実は脳のご褒美システム(ドパミン・オピオイド系)が深く関わっていることが分かってきています。
■ 痛みを和らげるのは、脳の“快”の仕組み
人間の脳には、強い痛みが起きたときに、それを一時的にシャットアウトする仕組みがあります。
それが「内因性オピオイド」と呼ばれる、“自分の体内で作られるモルヒネのような物質”です。
この物質は、気持ちよさ・やる気・食欲・性欲といった「生きる意欲」とも深くつながっていて、
これがうまく働かないと、痛みが長引き、心まで元気をなくしていくと言われています。
■ 慢性痛の裏にある「報酬の枯渇」
慢性的な痛みで悩む方の中には、
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食事がおいしくない
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やる気が出ない
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声が小さくなる
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動きたくない
といった症状がセットで現れることがあります。
これは、“脳がご褒美を感じにくくなっている状態”で、痛みそのものよりも「感じ方の調整」が乱れている可能性があるのです。
■ 解決のヒントは「目の動き」にもある
驚いたのは、「目の動き」が脳を刺激し、
痛みの感じ方を変える神経経路にスイッチを入れるという研究です。
特定の方向に目を動かすだけで、腕がスッと上がる。
そんなことが実際に起こるのは、脳の深い部分(中脳)が関わっているからだそうです。
■ アールカイロでできること
私たちは薬や手術を使うわけではありませんが、
“身体”を通して“脳”にも働きかけることはできます。
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「なぜかずっと治らない痛み」
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「疲れやすくて気分が落ちる」
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「以前のように元気が出ない」
そんな方にこそ、神経系・感覚系からの再スタートが必要かもしれません。
■ 最後に
痛みは、ただの“悪者”ではなく、身体からの大切なメッセージです。
それをどう受け取るか、どう整えていくかが、回復のカギになると感じました。
今回の学びを、日々の施術とアドバイスに活かしていきます。
不調が長引いている方、原因がわからないまま諦めかけている方も、
お気軽にご相談ください。