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アールカイロプラクティックセンター

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【症例紹介26】「足先が上がらない」「歩くとつまづく」

——腓骨神経麻痺(ひこつしんけいまひ)からの回復を支えた神経と筋の連動調整(50代女性・会社員)

「靴を履こうとすると足が引っかかる」「歩くときに足先が上がらない」
このような症状は、一見すると筋力低下のように感じられるが、
実際には神経の働きと筋肉の連動が乱れていることが多い。

今回は、整形外科で「腓骨神経麻痺」と診断され、
「もうこれ以上の回復は難しい」と言われた50代女性のケースを紹介する。
神経の圧迫を解放し、筋の機能を再び連動させることで、
歩行時のつまずきと違和感が改善していった。

◆状況と背景(Before)

  • 50代女性・会社員

  • 主な訴え
     右の足先が上がらず、歩行中につまづきそうになる。
     靴を履くときや階段を上がるときにも動かしにくい。

  • 経過
     約1か月前に発症し、整形外科で「腓骨神経麻痺」と診断。
     1週間ギプス固定を行なったが、その後も違和感が残った。
     麻痺は徐々に回復している感覚はあるものの、
     左足と比較すると明らかな不自然さがあり、歩行時に足を引きずるような状態。
     「これ以上の回復は難しい」と医師から告げられ、
     他の可能性を求めて来院された。

◆検査と見立て

神経学的検査では、右足の指先から足の甲にかけて知覚鈍麻(感覚の鈍さ)を確認。
筋力検査では、右足の全ての指を反らす力が左に比べて明らかに低下していた。

触診では、右の太もも裏とすね外側の筋肉が強く硬直しており、
筋肉テストにより、大腿二頭筋(太もも裏)と長腓骨筋(すね外側)に機能低下が認められた。

これらを総合すると、

腓骨を上方に引き上げる筋肉と、下方に引き下げる筋肉の協調バランスが崩れ、
腓骨そのものがズレて神経を圧迫していた可能性が高い。

つまり、神経麻痺は単なる「神経の損傷」ではなく、
構造的なアンバランス(骨・筋・神経の連携不全)によって悪化していたと考えられる。

◆施術とアプローチ

施術では、神経の圧迫を取り除き、筋と骨の連動性を回復させることを目的に行なった。

  1. 骨盤および腰椎(L4〜L5)の歪み調整
     → 大腿二頭筋の過緊張と長腓骨筋への神経伝達障害を防ぐため、
      骨盤と腰部のアライメントを整えた。

  2. キネシオテーピング療法(大腿二頭筋・長腓骨筋)
     → 皮膚刺激によって神経と筋肉の反射的反応を促し、
      圧迫されていた腓骨神経を解放。
      テープの支援で正しい腓骨位置を保持できるよう調整した。

  3. 長拇趾伸筋・長趾伸筋への追加テーピング
     → 指を反らす動作に関与する筋肉をサポート。
      親指を反らす力は一部の改善に留まったが、
      他の指の伸展力が大幅に回復し、足先全体の可動域が改善した。

施術後には、足先の動きが滑らかになり、
「足が軽く上がる」「歩いていても引っかからない」と即時的な変化を実感した。

◆結果と変化(After)

施術直後、右足の指を反らす筋力が明らかに向上。
歩行テストでも、足の引きずりが軽減し、バランスの取れた歩き方へと変化した。

ただし、左足と比べると依然として足先の上がりにくさが残るため、
神経回復の過程を慎重に見守る必要があると説明。
再圧迫を避けるためにも、日常姿勢と座り方の見直しを重点課題とした。

◆今後の方針と再発予防

仕事では長時間座って作業することが多く、
座位姿勢の崩れが神経圧迫を助長していると考えられた。

  • 座位姿勢の再教育
     → 右肩が下がり、右のお尻〜太ももに体重をかけていたため、
      骨盤が歪み、大腿二頭筋を慢性的に圧迫していた。

  • 長時間同一姿勢を避ける「姿勢リセット」
     → ストレッチではなく、その姿勢をいったん崩すことを指導。
      30分に一度、軽く屈伸したり、立ち上がって深呼吸をするだけでも十分。
      これにより、血流と神経伝達を維持し、再発リスクを防ぐ。

  • 背骨(胸椎・頸椎)の調整と関連筋膜へのアプローチ(今後の方針)
     → 上半身の歪みを整え、神経の通りを全身的に回復させる目的で継続施術を提案。

また、足の指を動かす神経・筋の再教育には、
キネシオテーピングによる継続的な刺激が有効であることを説明した。

◆考察

腓骨神経麻痺は、神経そのものの損傷だけでなく、
骨盤・脊柱・筋膜の連動性の乱れによっても発症・悪化する。

特に、長時間の座位や体重バランスの偏りは、
神経圧迫を慢性化させる大きな要因となる。

臨床的には、「神経に働きかける施術」だけでなく、
姿勢・呼吸・体重バランスの再教育を併せて行うことで、
より安定した回復が得られる。
本症例は、構造・神経・動作の三要素を整えることで改善が進んだ好例である。

「神経麻痺=治らない」と思われがちな症状でも、
体全体の歪みと筋肉のバランスを整えることで回復の道が開ける。

神経の通りを妨げる要因を取り除き、
血流・姿勢・動作を整えることが、再発を防ぐ最も確実な方法である。

“足先が上がらない”“歩くとつまづく”というサインは、
体が送る「神経の通りを整えてほしい」というメッセージ。
早めの対応が、回復への最短ルートとなる。

監修・執筆:アールカイロプラクティックセンター 院長 菊池 竜
キネシオテーピング協会認定インストラクター。
25年以上の臨床経験、延べ2万5千人以上の施術実績。
神経・筋・内臓・姿勢を統合して整える自然療法を実践。

※ここで紹介した内容は一例であり、すべての方に同じ経過が起こるとは限りません。
症状や体質により経過は異なるため、参考情報としてご覧ください。

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2025/12/1
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