
【三軒茶屋駅】手足のしびれ・神経痛なら
アールカイロプラクティックセンター
〒154-0011 東京都世田谷区上馬5-35-25 JLBグランエクリュ三軒茶屋601号室
(東急田園都市線 三軒茶屋駅世田谷通り口より徒歩13分)
「病院では異常がないと言われたのに、痛みや違和感が続いている」
この言葉は、臨床現場で最も多く耳にする訴えのひとつである。
レントゲンやMRIでは異常が見つからず、薬や湿布で様子を見ていても変わらない。
それでも「確かに痛い」「息をすると右胸が引きつる」と感じる――。
今回は、検査で異常が見つからなかったにもかかわらず、**筋膜・神経・姿勢の連動に隠れた“負荷の連鎖”**を調整することで改善が見られたケースを紹介する。
40代・男性・会社員
主訴:
右胸の奥の違和感と、背中(肩甲骨の内側)の刺すような痛み。
動かさなければ痛くないが、腕を前に出す・ひねる・深呼吸などで痛みが走る。
経過:
1か月前から症状が出始め、徐々に悪化。
整形外科での検査では「異常なし」とされ、鎮痛薬を処方された。
症状は改善せず、「このまま放っておいて大丈夫なのか」と不安を感じて来院。
本人は「筋トレ中に痛めたのかもしれない」「姿勢が悪いのだろう」と自己判断していたが、
実際には、胸部から背部にかけての連動性の崩れが深く関与していた。
動作分析では、右肩甲骨の動きが明らかに制限され、胸郭の右側が硬く、吸気時の広がりが乏しかった。
また、右の広背筋・小胸筋・肋間筋に過緊張が見られ、胸郭前面と背面が互いに引っ張り合う状態になっていた。
力を入れてもらうと、腹斜筋から背部の伸筋群の連動が途切れ、
「胸を張る」「深く息を吸う」といった基本動作のたびに胸骨周囲へストレスが集中していた。
加えて、仕事中の長時間デスクワークにより、肋骨下部の可動性低下と腹圧の不均衡も確認された。
これらの要素が重なり、背面の筋群が常に代償的に働く悪循環を作っていたと考えられる。
施術では「痛い部分」ではなく、「負荷が蓄積していた構造連鎖」を整える方針とした。
胸郭・肋骨の可動性調整(キネシオテーピング×筋膜スラッキング)
→ 小胸筋・前鋸筋の過緊張を緩め、呼吸に伴う肋骨の開閉を回復。
胸椎・肩甲骨間の滑走改善
→ 流体筋膜動可法により、胸椎の回旋制限を解除し背部の筋膜滑走を促進。
呼吸と体幹の再教育
→ 吸気時に右肋骨を開く呼吸パターンを指導し、腹圧と胸郭の協調を再構築。
施術は強い圧をかけず、皮膚刺激と神経反射を利用して“自然な動き”を取り戻すことを目的とした。
初回後、「深呼吸しても右胸がつっぱらない」「背中の引きつりが減った」と即時変化がみられた。
2回目の来院時には、「寝返りのときの痛みがほとんどなくなった」との報告。
数回の施術で次のような改善を確認:
胸郭の拡張が均等になり、呼吸が深くなる
右肩甲骨の可動性が回復し、腕の上げ下げがスムーズに
背部痛の再発がなくなり、姿勢が自然に安定
「胸を張るのが怖くなくなった」「息がしやすい」という感想が印象的であった。
再発予防のため、胸郭と肩甲骨の連動維持を最優先に設計。
呼吸に合わせて肋骨を動かすストレッチ(毎朝2分)
座位姿勢での胸郭回旋エクササイズ
広背筋・腹斜筋の柔軟性維持
肩甲骨の安定化を促す軽負荷トレーニング
「痛みがなくなった後にこそ、姿勢と呼吸の再教育を行うこと」が大切である。
症状が消えても、動作パターンが元に戻れば再発のリスクは残る。
この方にも、週1回のメンテナンスを数回継続し、安定期に移行した。
胸部や背中の痛みは、しばしば「内臓の問題」や「ストレス性疼痛」と誤解されるが、
実際には胸郭の機能的不均衡(筋膜・神経・姿勢の連鎖)が背景にあるケースが多い。
特にデスクワークや猫背姿勢が長い人では、
肋骨の可動制限→呼吸の浅さ→腹圧低下→背部筋群の過緊張という連鎖的負荷が生じやすい。
本症例は、筋肉の損傷や骨格の歪みではなく、
“使い方の偏り”が生み出した体のサインとして理解すべきケースであった。
痛みを「異常」ではなく、「警告」として読み解く視点が重要である。
検査で異常がないのに、確かに「違和感がある」。
その感覚は、体が発している小さなSOSであり、構造と機能のズレを知らせるサインである。
今回のように、痛みの根が「胸郭」や「呼吸」にあったケースは少なくない。
痛みを取ることだけを目的にせず、全身の連動を整えることが真の回復につながる。
早めの調整が、再発を防ぎ、再び自由に動ける体を取り戻す第一歩である。
監修・執筆:アールカイロプラクティックセンター 院長 菊池 竜
キネシオテーピング協会認定インストラクター。
25年以上の臨床経験、延べ2万5千人以上の施術実績。
神経・筋・内臓・姿勢を統合して整える自然療法を実践。
※本記事の内容は一例であり、すべての方に同じ変化が起こるとは限りません。
症状や体質により経過は異なりますので、参考情報としてご覧ください。
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