【三軒茶屋駅】手足のしびれ・神経痛なら

アールカイロプラクティックセンター

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【症例13】右胸の違和感と背中の痛み

——検査では異常なし。けれど、確かに「そこにあった」負荷の連鎖

「病院では異常がないと言われたのに、痛みや違和感が続いている」
この言葉は、臨床現場で最も多く耳にする訴えのひとつである。

レントゲンやMRIでは異常が見つからず、薬や湿布で様子を見ていても変わらない。
それでも「確かに痛い」「息をすると右胸が引きつる」と感じる――。

今回は、検査で異常が見つからなかったにもかかわらず、**筋膜・神経・姿勢の連動に隠れた“負荷の連鎖”**を調整することで改善が見られたケースを紹介する。

◆ 状況と背景(Before)

  • 40代・男性・会社員

  • 主訴
     右胸の奥の違和感と、背中(肩甲骨の内側)の刺すような痛み。
     動かさなければ痛くないが、腕を前に出す・ひねる・深呼吸などで痛みが走る。

  • 経過
     1か月前から症状が出始め、徐々に悪化。
     整形外科での検査では「異常なし」とされ、鎮痛薬を処方された。
     症状は改善せず、「このまま放っておいて大丈夫なのか」と不安を感じて来院。

本人は「筋トレ中に痛めたのかもしれない」「姿勢が悪いのだろう」と自己判断していたが、
実際には、胸部から背部にかけての連動性の崩れが深く関与していた。

◆見立てと気づき

動作分析では、右肩甲骨の動きが明らかに制限され、胸郭の右側が硬く、吸気時の広がりが乏しかった。
また、右の広背筋・小胸筋・肋間筋に過緊張が見られ、胸郭前面と背面が互いに引っ張り合う状態になっていた。

力を入れてもらうと、腹斜筋から背部の伸筋群の連動が途切れ、
「胸を張る」「深く息を吸う」といった基本動作のたびに胸骨周囲へストレスが集中していた。

加えて、仕事中の長時間デスクワークにより、肋骨下部の可動性低下と腹圧の不均衡も確認された。
これらの要素が重なり、背面の筋群が常に代償的に働く悪循環を作っていたと考えられる。

◆施術とアプローチ

施術では「痛い部分」ではなく、「負荷が蓄積していた構造連鎖」を整える方針とした。

  1. 胸郭・肋骨の可動性調整(キネシオテーピング×筋膜スラッキング)
     → 小胸筋・前鋸筋の過緊張を緩め、呼吸に伴う肋骨の開閉を回復。

  2. 胸椎・肩甲骨間の滑走改善
     → 流体筋膜動可法により、胸椎の回旋制限を解除し背部の筋膜滑走を促進。

  3. 呼吸と体幹の再教育
     → 吸気時に右肋骨を開く呼吸パターンを指導し、腹圧と胸郭の協調を再構築。

施術は強い圧をかけず、皮膚刺激と神経反射を利用して“自然な動き”を取り戻すことを目的とした。

◆結果と変化(After)

初回後、「深呼吸しても右胸がつっぱらない」「背中の引きつりが減った」と即時変化がみられた。
2回目の来院時には、「寝返りのときの痛みがほとんどなくなった」との報告。

数回の施術で次のような改善を確認:

  • 胸郭の拡張が均等になり、呼吸が深くなる

  • 右肩甲骨の可動性が回復し、腕の上げ下げがスムーズに

  • 背部痛の再発がなくなり、姿勢が自然に安定

 

「胸を張るのが怖くなくなった」「息がしやすい」という感想が印象的であった。

◆今後の方針と再発予防

再発予防のため、胸郭と肩甲骨の連動維持を最優先に設計。

  • 呼吸に合わせて肋骨を動かすストレッチ(毎朝2分)

  • 座位姿勢での胸郭回旋エクササイズ

  • 広背筋・腹斜筋の柔軟性維持

  • 肩甲骨の安定化を促す軽負荷トレーニング

「痛みがなくなった後にこそ、姿勢と呼吸の再教育を行うこと」が大切である。
症状が消えても、動作パターンが元に戻れば再発のリスクは残る。
この方にも、週1回のメンテナンスを数回継続し、安定期に移行した。

◆考察

胸部や背中の痛みは、しばしば「内臓の問題」や「ストレス性疼痛」と誤解されるが、
実際には胸郭の機能的不均衡(筋膜・神経・姿勢の連鎖)が背景にあるケースが多い。

特にデスクワークや猫背姿勢が長い人では、
肋骨の可動制限→呼吸の浅さ→腹圧低下→背部筋群の過緊張という連鎖的負荷が生じやすい。

本症例は、筋肉の損傷や骨格の歪みではなく、
“使い方の偏り”が生み出した体のサインとして理解すべきケースであった。
痛みを「異常」ではなく、「警告」として読み解く視点が重要である。

検査で異常がないのに、確かに「違和感がある」。
その感覚は、体が発している小さなSOSであり、構造と機能のズレを知らせるサインである。

今回のように、痛みの根が「胸郭」や「呼吸」にあったケースは少なくない。
痛みを取ることだけを目的にせず、全身の連動を整えることが真の回復につながる

早めの調整が、再発を防ぎ、再び自由に動ける体を取り戻す第一歩である。

監修・執筆:アールカイロプラクティックセンター 院長 菊池 竜
キネシオテーピング協会認定インストラクター。
25年以上の臨床経験、延べ2万5千人以上の施術実績。
神経・筋・内臓・姿勢を統合して整える自然療法を実践。

※本記事の内容は一例であり、すべての方に同じ変化が起こるとは限りません。
症状や体質により経過は異なりますので、参考情報としてご覧ください。

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2025/12/23
2025/12/1
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