痛みの探求第7章第3回講義より

施術を受けたあとに、ふと出てくるこの言葉。

「なんか楽になった気がする」

もしかすると本人も、“気のせいかも”と思っているかもしれません。
でも私は、こう考えます。

「気のせい」ではなく、「体が受け取った変化」なんです。

◆ 安心できたとき、体はちゃんと反応する

「話をちゃんと聞いてもらえた」
「空間が落ち着く」
「なんとなく、信頼できそうな気がした」

── そんな感覚がふとした安心を生み、体の中で痛みを抑える“スイッチ”が入ります。

これは医学的には「プラセボ効果」とも呼ばれますが、
私は「安心スイッチ」と呼んでいます。

◆ 強い刺激では入らない“治るスイッチ”

「バキバキしないと効かない」
そんなイメージを持っている方もいますが、実際は逆。

● 安心して呼吸ができること
● 体が「触れられて大丈夫」と感じること
● 小さな変化に“気づける”こと

こうした条件が揃ったときに、体は自然とスイッチを入れます。
だから私は、あえて“最小限”の刺激で反応を見ます。

◆ 少しの変化に気づける人ほど、体は変わっていく

実は、回復の早い方には共通点があります。

  • 「ちょっと楽かも」と自分で気づける

  • アドバイスを試してみようと思える

  • 完璧を求めすぎず、小さな前進を楽しめる

これができる人は、体の変化に素直に乗れます。

◆ 治療は“何をするか”より“誰と向き合うか”

不調の背景には、生活・思考・習慣など、さまざまな要因が隠れています。
その中で大事なのは、「どこで、誰と、どんな空気の中で過ごすか」という“関係性”です。

私は、

  • 話を聴く

  • 無理に触れない

  • 清潔で安心できる空間を保つ

──この3つを、治療の前に大切にしています。

◆最後に

「なんか楽になった」は、ちゃんと治る方向に向かっているサイン。
それを「気のせい」と流してしまわないでください。

あなたの中にある“治る力”が、そっと動き出した証拠かもしれません。

不調のサインに気づいたとき。
「少しでも変わってきたかも」と思えたとき。

どうぞ気軽にご相談ください。

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