キネシオ×東洋医学で見えた“からだの全体像”
最近、こんな声をよく耳にします。
「検査では異常がないのに、ずっとしんどい」
「どこが悪いのか、もう自分でもわからない」
「いいと言われた施術も、なんとなくしっくりこない」
こうした声を聞くたびに、いつも思い出すのは——
体は“部分”ではなく、“つながり”でできているという視点です。
そして今回、まさにそれを再確認する機会として、
「キネシオテーピング×東洋医学セミナー」を受講してきました。
東洋医学とテーピングが教えてくれたのは、
「評価しない」体の見方
このセミナーでは、ツボや経絡といった東洋医学の世界と、
キネシオテーピングの実践的な手技を組み合わせながら、
「どこに貼るか」ではなく、
「どこが滞っているか」「どこに負担がかかっているか」
を見つけて整えていくことが大切だという話が印象的でした。
たとえば、ある人の「手の力が入らない」原因が、
実はお腹の“張り”にあったり。
別の人の「首こり」が、感情的な“我慢”と結びついていたり。
こうしたつながりは、単なる技術や解剖学では見えてこない、
「全体としての生命」を感じることから始まります。
実は、昔の自分も「技術」で何とかしようとしていた
正直なところ、施術の経験が浅い頃は、
「どこに貼れば早く楽になるか」ばかりを考えていました。
でも、今では違います。
「なぜ、その人の体は今この状態なのか」
「その人の“今”に必要な整い方とは何か」
そんなふうに、体と“対話”する感覚が、
セミナーでの学びとともに、より深まりました。
体はすべて、つながっている。
ときには、たった一枚のテープで「からだ全体のバランス」が変わることもある。
セミナーの中で、
お腹のある一点にテープを貼っただけで、手足の筋力が変わる
という体験がありました。
これは魔法ではなく、
「流れが整えば、体は勝手に反応する」というごく自然なこと。
テープは、“痛みを治す道具”ではなく、“からだ本来の動きを取り戻すきっかけ”です。
だからこそ、「効くか効かないか」で判断するのではなく、
「今、この人に必要かどうか」で貼るようになりました。
“評価”を手放すと、自然な整いが始まる
晴れの日が良くて、雨の日がダメなんじゃない。
ただ、今日は雨が降っているだけ。
同じように、
肩が重い、腰がつらい、それも「何かが整っていない」サインかもしれません。
「ここがダメ」と思っていた不調も、
「今ちょっと休みたがっているだけ」なのかもしれません。
アールカイロでは、こう考えています。
-
不調は“治す対象”ではなく、“聴く対象”
-
からだは“操作するもの”ではなく、“共鳴する存在”
だからこそ、
「この症状にはこのテープ」と決めつけることはしません。
その代わりに、
体の声に耳を澄ましながら、“整う場”をつくることに力を注いでいます。
最後に——問いかけをひとつ。
もし、いま体に不調や違和感があったとして。
「どこが悪いんだろう?」ではなく、
「体が何を伝えようとしているんだろう?」
そう問いかけてみたら、見える景色が変わるかもしれません。
▶︎ セミナー名:
近代三種セミナーその一
キネシオテーピング×東洋医学セミナー~東洋医学と流体筋膜論の融合~
(2025年5月25日開催 全3回中1回目)