【症例紹介21】「背中の奥でジンジン続く痛み」──原因は“関節そのもの”ではなく“首からの連鎖”

20代男性・理学療法士

◆感じ始めた違和感

背骨の真ん中あたりに、常にジンジンとした痛みがつきまとっていた。
体を反らす、首を後ろに倒すとズキッと痛みが走る。
寝ている時だけは少し落ち着くが、5年ほど前から少しずつ悪化していた。

◆見立てと気づき

筋肉を押しても特に反応はない。
背骨そのものを後ろから押すと、第6胸椎で強い圧痛が出た。
姿勢分析でも第6胸椎が屈曲+右側屈に歪んでおり、「胸椎椎間関節症」の可能性が高いと判断した。

整形外科で「異常なし」と言われても、体は確かにサインを出していた。

◆取り組みと変化のプロセス

関節の動きを妨げていた第6胸椎を含む数か所を矯正。
圧痛は残ったが、キネシオテーピングで炎症を抑え、再検査では背中の痛みが解消。
さらに首の歪みを矯正し、引き伸ばされていた広背筋を正常化することで、動きも改善した。

◆伝えたこと・伝えなかったこと

再発の要因は、首を「自分で鳴らす」癖だった。
これにより靱帯が伸び、首が不安定になり、背骨の歪みへとつながっていた。
「鳴らさないこと」が治療以上に重要であると伝えた。

背中の痛みは「骨そのものが悲鳴をあげていたサイン」だったのかもしれない。
繰り返し触れていた違和感の正体に気づけた今、身体はどんな動きを取り戻していくのだろう。

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