【症例紹介2】バレエ後の腰痛と太ももの痛み──整形・鍼でも変わらなかった“神経の引っかかり”を解いた一手(40代女性)

「腰じゃないけど、なんだか脚が変な感じ…」
「整形外科でも“骨の隙間が狭い”って言われたけど、薬を飲んでも変わらない」

 

病名はあっても、症状は残る──
今回ご紹介するのは、“動き”と“構造”の見直しで大きく変化した症例です。

◆ 状況と背景

  • 患者:40代・女性・会社員/週1回のバレエレッスンを継続

  • 主訴

    • 右の腰の痛み(バレエレッスン後に発症)

    • 太もも前側の違和感〜奥の痛み

    • 膝の曲げにくさ・膝蓋骨の感覚異常(左右差)

  • 病院での対応

    • 整形外科:レントゲンで「仙腸関節のズレ」と診断

    • ロキソニン/ビタミン剤/筋弛緩剤処方 → 効果なし

    • 鍼治療×2回 → 改善なし

「痛いというより、“おかしい感じ”がずっと消えなくて…
どこに行っても“様子見ましょう”って言われるのが、正直不安でした」

◆ 見立てと考え方

 

検査により以下の問題を確認:

  • 右鼡径部の圧痛+筋力低下(大腰筋・腸骨筋・恥骨筋)

  • 殿部筋(大殿筋・中殿筋・梨状筋)の機能低下

  • 肩甲帯〜骨盤の非対称な使い方が背景に存在

表面的な痛みの裏に、「骨盤の不安定さと筋連動の破綻」が見え隠れしていました。

◎二重構造で発症していた:

  1. 仙腸関節靱帯の挟み込み=仙腸関節炎

  2. 腸腰筋の過緊張による神経圧迫=大腿神経痛

◆ アプローチ

「どの神経が圧迫されているか」ではなく、
「なぜそこに“引っかかり”が起きたのか」を重視。

  1. 骨盤矯正で仙腸靱帯の開放 → 腰の痛みが消失

  2. 腰椎の歪み(2か所)矯正 → 神経ルートの滑走性改善

  3. 腸骨筋・中殿筋にキネシオ+筋スラッキング療法
     → 座位時の違和感が完全に消失

◆ 結果と変化

「座ってるときに“違和感を探すクセ”がなくなりました」
「なんか…“ちゃんと右足がある”感じです(笑)」

本人の中で「どこが悪いかわからない不安」が、「身体がまとまっている安心」に変わった瞬間でした。

◆ 今後の方針と再発予防

  • 再発防止のために:

    1. 骨盤の安定維持と日常姿勢の見直し

    2. 未調整の頸椎・胸椎の矯正

    3. 筋膜連鎖と動きの再教育

痛みが消えても、“崩れた構造”が残ったままだと再発は早い。
「元の生活に戻る」のではなく、「戻さない生活」をつくっていく視点が大切です。

整形外科も、鍼も、正しい対応をしてくれたはず。
それでも良くならなかったのは──

「神経の通り道」ではなく、「神経が通れなくなる構造」そのものに問題があったから。

「なんとなく治らない」そんな違和感を感じたら、

“構造を診る視点”を持って体を見直してみると、新しい選択肢が見えてくるかもしれません。

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