【症例紹介4】朝起きたら首が動かない？原因は“冷えでも寝違えでもない”斜角筋の痙攣だった

• 患者：30代・女性・事務職

• 主訴：

  • 上を向いたり、首を回すと左首の付け根が強く痛む

  • 痛みの発症は2日前の朝の頭痛から。その後、首が動かなくなった

• 思い当たる原因：

  • 3日前に職場の大掃除で、上を向いて窓拭きを繰り返していた可能性あり

  • 特にケガや外傷の記憶はなし

触診・検査所見

• 首の前・横・後ろにかけて明確な筋肉の張りと圧痛

• 関節の可動域はほぼ半減／痛みのため筋力検査が困難

• 手技細胞組織移動テストにより、以下の筋と筋膜に問題を確認：

  • 前斜角筋

  • 中斜角筋

  • 後斜角筋
     

総合見立て

以前から引き伸ばされていた斜角筋群が痙攣を起こしたことで痛みが発生したと考えられる
（＝筋筋膜性の痙攣による急性頸部痛）

• キネシオテーピング療法＋筋スラッキング療法（左斜角筋群）
  　→ 張り・圧痛が解消／関節可動域も正常化
  　→ 首を動かしてもほぼ痛みなし

• 頸椎3箇所の歪みを矯正
  　→ 筋肉の再緊張を防止／深部安定の回復へ

この症例のポイントは、よくある「寝違え」や「炎症」ではなく…

斜角筋が“慢性的に引き伸ばされていた”ことによる痙攣。

• 仕事中の長時間座位で右肩が下がる姿勢

• 左お尻に体重がかかり、体幹軸がゆがむ

• 左の斜角筋が常に引っ張られている状態で大掃除の動作が重なり、限界を超えて痙攣発生

• 姿勢改善が最大の再発予防策
  　→ デスクワーク時の座り方／肩の位置／骨盤の傾きに注意

• 必要に応じて以下の治療を提案
  　1. 胸椎・腰椎・骨盤の矯正
  　2. 筋膜ラインの再構築
  　3. セルフケア：温冷判断や軽い運動の仕方

実は“筋肉の痙攣”か“炎症”かで対応がまったく逆になることもあります。

自己判断で温めたり冷やしたりして悪化するケースも少なくありません。
 

違和感があるうちに、早めに専門的な評価を受けることが、最短の改善ルートです。