女性 50代 会社員

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(既往歴)
・30年くらい前に両膝の半月板損傷(はんげつばんそんしょう)と診断され、
 手術しようとしたが、内視鏡で診たら取り除くほどではなかったのでしなかった。
 両膝共に現在痛みはないが、膝を捻ったり深く曲げたりするのが怖い。
・大腸がんで2年前に手術した。

(主訴)

治療例53

4か月前位から左右の股関節が痛い。(上の図の内)
とくに座ってて立ち上がる時や歩き始めに痛み、長時間立っていたり歩いている時も
だんだん痛くなってくるが座ったり、休憩すると痛くなくなる。

(検査)

触診により、左のお尻に右と比べて明らかな張りがありましたが、
股関節には張りなどの左右差はほとんどみられず、圧痛もありませんでした。
股関節の関節可動域検査や整形外科学検査は、膝を捻ったり深く曲げたりする
ものもあり、本人の希望でこれらの検査はほとんどできませんでした。
そのため、問診から症状の原因が筋肉や筋膜の問題(=筋筋膜性)であると推測し、
立っていたり歩いていたりする時に症状が悪化することから、
立位の姿勢分析により、股関節周囲で問題のある筋肉を特定することにしました。

立位の姿勢分析では、前後から見ると骨盤の右傾斜と左回旋があり、
横から見ると骨盤の前方移動と後傾がありました。
それを考慮した上で筋肉テストを行なったところ、右側では大殿筋(だいでんきん)、
中殿筋(ちゅうでんきん)、大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)、
大腿直筋(だいたいちょくきん)に機能低下がみられましたが、
手技細胞組織移動テストによるとそれぞれの筋肉を治療するより
大腿直筋だけを治療した方が、他の3つの筋肉も正常に機能できるようになることが
わかりました。
左側では腸骨筋(ちょうこつきん)、大腿直筋、中殿筋、大腿筋膜張筋に機能低下が
みられましたが、同じく手技細胞組織移動テストにより、大腿筋膜張筋だけを
治療した方が他の3つの筋肉も正常に機能できるようになることがわかりました。

右大腿直筋 
↑左:前から見た大腿直筋/右:前から見た大腿筋膜張筋

以上のことからこの女性の股関節の痛みは、右大腿直筋の短縮と左大腿筋膜張筋の伸張
によって起こっている可能性が極めて高いという診たてになりました。

(治療)

まず、症状の原因となっている筋肉を正常な状態に戻すために、右大腿直筋と
左大腿筋膜張筋にキネシオテーピング療法筋スラッキング療法を行ない、
再度筋肉テストをしてみると、右の大殿筋、中殿筋、大腿筋膜張筋と左の腸骨筋、
大腿直筋、中殿筋も正常に機能できるようになりました。

次に、右大腿直筋や左大腿筋膜張筋とそれぞれに繋がって連動する筋肉のうち、
右前脛骨筋(ぜんけいこつきん)と左長拇趾伸筋(ちょうぼししんきん)に
機能低下がみられたので、キネシオテーピング療法と筋スラッキング療法を
行なって再度検査してみると、それぞれ正常に機能できるようになり、
立位の姿勢分析では骨盤の右傾斜や後傾、左回旋、前方移動が見られなくなり、
座ってて立ち上がる時や歩き始めの痛みはほとんど無くなりました。

長時間立っていたり、歩いていたりする時の症状は後日確認してもらうことにして、
もしもあまり症状が改善していなかったら、筋肉以外に問題がある可能性が高く、
それをみつけて治療するためには、今回できなかった股関節の関節可動域検査や
整形外科学検査をする必要があることを伝えました。

 

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