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肩甲間部の痛み

背中の痛みを訴えて来院される方の中でも特に多いのは、
上の写真ので囲まれた「肩甲骨の内側」、または「肩甲骨の間」と
いわれる所の痛みです。
しかし、ここの痛みの原因はさまざまなものがあるので、
ちゃんと治すためにはその原因を特定することはもちろんですが、
それに対して適切な治療をすることも重要です。

肩甲骨内側の痛みの原因とそれに対して当院で行なっている治療
(カイロプラクティック、キネシオテーピング療法、筋スラッキング療法など)
について、どなたにでもわかるよう専門用語はできるだけ使わず、
写真と解剖図を使って説明します。

 

肩甲骨について

胸郭構造(後) 背部筋②
↑左:後ろから見た肩甲骨と背骨(胸椎:きょうつい)と肋骨
 右:後ろから見た肩甲骨と背中の筋肉

肩甲骨は左右の肩の背中側にある骨で、後ろから見ると
三角形をしています。
肋骨の背中側に乗っているだけで直接連結はせず、
周囲の筋肉に吊り下げられて浮かんでいるような状態です。
そのため肩甲骨はかなり自由に動かすことができ、
下の図のように手を動かす時には、肋骨の表面を滑るように動きます。

肩甲骨挙上 肩甲骨下制
↑左:肩甲骨の引き上げ/右:肩甲骨の引き下げ

肩甲骨外転 肩甲骨内転
↑左:肩甲骨の外方移動/右:肩甲骨の内方移動 
※後ろから見た図。赤矢印は肩甲骨が動く方向。

肩甲骨内側の痛みの原因

肩甲骨内側の痛みの原因は、主に以下の5つが考えられます。

①内臓の病気

とくに、心臓(心筋梗塞)、血管(大動脈瘤:だいどうみゃくりゅう)、
呼吸器(ウィルス感染や気胸)、消化器(胆石:たんせき)の
病気によって引き起こされます。

頸椎(けいつい)椎間板ヘルニア

ヘルニアの症状は障害された神経がつながっている所に出ますが、
肩甲骨内側に痛みが出ることもあります。

胸椎(きょうつい)椎間関節症

背骨や背骨のすぐ横の痛みだけでなく、肩甲骨内側に関連痛が出ることも
結構多いです。

トリガーポイントによる関連痛

肩甲骨内側の筋肉だけでなく、首の筋肉の中にも肩甲骨内側に
関連痛を引き起こすものがあります。

⑤筋肉と筋膜の問題

菱形筋 下僧帽筋
↑左:菱形筋(りょうけいきん)/右:下部僧帽筋(そうぼうきん)

頸板状筋 胸腸肋筋
↑左:頸板状筋(けいばんじょうきん)
 右:胸最長筋(きょうさいちょうきん)
※4つとも後ろから見た右側の筋肉です。

肩甲骨の内側を通る主な筋肉は上の4つで、菱形筋下部僧帽筋
肩甲骨に付きますが、頸板状筋と胸最長筋は肩甲骨に付かず、
首や上半身を動かす筋肉です。
筋肉とそれを包む筋膜は、引き伸ばされると痛みを感じます。
※筋肉は痛みを感じないので、筋肉が痛いと感じるのは、たいてい
筋膜が感じている痛みです。
そのため、肩甲骨内側を通っている4つのうちの1つ、
もしくは2つ以上の筋肉とそれを包む筋膜が引き伸ばされている
可能性があります。

治療

病院での治療は、マッサージや電気治療器、湿布や痛み止めの薬など、
原因がなんであれ、同じ治療が行なわれる場合がほとんどです。

当院では、まず検査により肩甲骨内側の痛みの原因を特定し、
その結果、内臓の病気の疑いがある場合は病院での精密検査をすすめます。
そして、頸椎椎間板ヘルニアや胸椎椎間関節症、トリガーポイントが
原因の場合は、それぞれに対して適切な治療を行ないます。
※それぞれの治療については、以下のブログをご覧ください。
頸椎(けいつい)椎間板ヘルニアとその治療
椎間関節症(ついかんかんせつしょう)とその治療
トリガーポイントとその治療

筋肉と筋膜の問題が原因の場合は、
①肩甲骨の内側を通る筋肉の中から、筋肉テストにより
 引き伸ばされている筋肉を特定します。
②肩甲骨の内側を通る4つの筋肉は、全て背骨や骨盤に付き、
 背骨の歪み骨盤の歪みにより、筋肉や筋膜が引き伸ばされる
 可能性があるので、特定した筋肉が付く背骨や骨盤の歪みを
 矯正します。
③特定した筋肉をもう一度筋肉テストで確認し、筋肉自体に
 問題があれば、その筋肉とそれを包む筋膜を治療します。

ただし、下部僧帽筋(そうぼうきん)や菱形筋(りょうけいきん)が
引き伸ばされている場合は、引き伸ばされている筋肉に
必ずしも問題があるとは限りません。

たとえば、下図のような姿勢に合わせて肩甲骨が上外方や下外方へ
移動したために、引き伸ばされていたとします。


↑左:姿勢に合わせて右肩甲骨が上外方に移動
 右:姿勢に合わせて右肩甲骨が下外方に移動

この場合は、肩甲骨を上外方や下外方へ引っぱっている筋肉
(※下図参照)が過緊張して正常に機能できなくなっていれば、
たとえ無症状でもそちらの筋肉を治療しなければなりません。

 
↑左:肩甲骨を上外方(白矢印)に引っぱる筋肉(黄)※右側から見た図
 右:肩甲骨を下外方に引っぱる筋肉(黄)※後から見た図

そして、下部僧帽筋や菱形筋は、下図のように肩・肘・手首・指を動かす
筋肉とつながって連動するので、これらの筋肉のうち1つでも問題が
あると、下部僧帽筋や菱形筋は引き伸ばされてしまいます。
たとえば肘を伸ばす筋肉に問題があり、肘が伸ばしにくくなっていると、
前方に手を伸ばして物を取ろうとする時に菱形筋が余計に引っぱられて
しまいます。

僧帽筋下部ーSBAL 
↑左:下部僧帽筋とつながる筋肉
 右:菱形筋とつながる筋肉

この場合は、つながって連動する筋肉の中から問題のある筋肉を
みつけて治療しなければなりません。

①で特定した筋肉、もしくはその筋肉を引き伸ばす原因となる筋肉を
みつけ、その筋肉とそれを包んでいる筋膜を筋スラッキング療法
キネシオテーピング療法で治療して、元の正常な状態に戻します。

ほとんどの場合、初回は患部に対する治療に重点をおきますので、
少なくとも症状の軽減がみられ、場合によってはほとんど気にならなくなります。
さらに2回目以降全身の治療も一緒に行なっていけば、肩甲骨内側の痛みを
根本的な原因から治療することになるので、症状の再発を防ぐことができます。

肩甲骨内側の痛みは、さまざまな原因で起こる可能性があるので、
その原因をちゃんと見極めて、適切な治療をしないと治りません。
そして筋肉と筋膜の問題が原因だったとしても、原因となり得る筋肉は
いくつもあり、さらに症状が出ている筋肉に問題があるとは限りません。
上記のように、無症状でも過緊張を起こしている筋肉だったり、
患部から離れた所の筋肉に問題があるかもしれません。
そのため、症状が出ている筋肉を治療するだけでは対症療法にしかならず、
その筋肉を引き伸ばしている原因も一緒に治さなければ、
一時的に良くなったとしても、しばらくしたらまた繰り返すことになります。

もしも、あなたが肩甲骨内側の痛みからできるだけ早く
解放されたいのであれば、なるべく早く治療することをオススメします。 

当院は予約制ですので、必ず事前に03-3414-7206までお電話ください。
 
 
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