第8回学会①

5月7日(土)~8日(日)に東京海洋大学(越中島キャンパス85周年記念会館)
で開催された「第8回キネシオテーピング療法学会」に参加してきました。

キネシオテーピング療法学会は、キネシオテーピング療法を医療機関や
教育機関などに広く普及させるために、科学的な研究による理論的な裏付けを
確立しようと2008年に設立されました。
参加者は、大学において研究を専門としている学者、大学教授、医師、薬剤師、
理学療法士(PT)、柔道整復師、鍼灸師、カイロプラクター、
スポーツトレーナー、自衛官などさまざまです。

第8回学会③

髙野光司会長(Georg Augst大学(ドイツ)医学部終身職教授)や
加瀬建造理事長(国際キネシオテーピング協会会長)による
講演をはじめ、17の研究発表がありました。
以下はその表題と研究者、要約をまとめたものです。

①「海外のキネシオテーピング研究の動向」
 蛭間栄介氏(帝京大学医療技術学部)
⇒海外の主要な学会誌に投稿されたキネシオテーピングに関する
研究論文(149編)のまとめ

②「柔道整復師とキネシオテーピング法」
 近森清氏(近森整骨院鍼灸院・関西健康科学専門学校)
⇒接骨院や整骨院での治療におけるキネシオテーピングの使用法

③「キネシオテーピングが陸上選手の下肢に及ぼす影響
-マルチジャンプテスタ測定でキネシオテーピングが及ぼす影響-」
 石田勇樹氏(ゆうき整骨院),川本隆義氏(キネシオテーピング協会)
 苅部俊二氏(法政大学)
⇒陸上選手の両足首にキネシオテーピングを貼らない場合と貼った場合、
さらに貼り方によるパフォーマンスへの影響を検証

④「歩行訓練リハビリ中の老人へのキネシオテーピングの効果」
 大藤晃義氏(大藤整骨院),山中しのぶ氏(介護老人保健施設 わかくさ)
⇒歩行が困難な老人に対するキネシオテーピング療法の効果を検証

⑤「ピンキングカットによるキネシオテーピングの効果
-立位体前屈の測定値変動からみる腰部テーピングの効果-」
 藤原靖真氏(藤原整骨院),河本慶次氏
⇒キネシオテープを切り口がギザギザになるハサミで切った場合と
普通のハサミで切った場合の効果を検証

⑥「微小循環動態に及ぼすキネシオテープの影響」
 鈴木由紀子氏(昭和大学医学部薬理学・東京衛生学園専門学校)
 川本隆義氏(キネシオテーピング協会)
⇒腕にキネシオテープを貼ると、指先の血流は改善するか(刺鍼との比較)

⑦「テーピング方法と自律神経系指標の変化-心拍ゆらぎの解析から-」
 河野貴美子氏(国際総合研究機構)
 川本隆義氏,小澤淳一氏,加瀬建造氏(キネシオテーピング協会)
⇒手首に3種類のテープを貼って100マス計算をした時の心拍数を比較

⑧「姿勢分析ソフトによる筋緊張部分へのキネシオテーピング添付による
姿勢の変化-キネシオテーピング法による効果を数値化する試みⅡ-」
 種村正昭氏(中山鍼灸接骨院),河野貴美子氏(国際総合研究機構)
⇒姿勢分析ソフトを使用してキネシオテーピングの効果を数値化できるか検証

⑨「テープの種類と幅による伸張性の違い」
 樋口翔太氏,武田純一氏(なかじま整形外科小児科クリニック)
 吉田一也氏(人間総合科学大学),江尻廣樹氏(ドクターランド船橋)
 若林彩香氏(キッコーマン総合病院)
⇒キネシオテープと類似テープ(4種)の伸張性を測定し、比較

⑩「カット方法によるテープの伸張性の違いについての検証」
 吉田一也氏(人間総合科学大学),江尻廣樹氏(ドクターランド船橋)
 樋口翔太氏,武田純一氏(なかじま整形外科小児科クリニック)
 若林彩香氏(キッコーマン総合病院)
⇒3種類の切り方で切ったテープ(同じ幅と長さ)の伸張性を測定し、比較

⑪「リンパコレクションテープが浮腫にどの程度効果があるのか?」
 清水公也氏,小澤淳一氏(キネシオテーピング協会)
⇒リンパ液の排出を促すテーピングのむくみに対する効果を検証

⑫「認知症改善(予防)に有効なキネシオテーピングとアロマセラピー」
 青木育子氏(キネシオテーピング協会)
⇒認知症に効果があるといわれるキネシオテーピングとアロマセラピーを
それぞれ単独で使用した場合と両方を併用した場合の効果を比較

⑬「ジェリーフィッシュテープを仙骨に貼ったことによる便秘改善例の報告」
 川田太寿氏(キネシオテーピング協会)
⇒クラゲ状のテープを仙骨に貼ったことによる便秘改善例

⑭「ダーツプレイヤーに対するキネシオテーピングによる自己管理の提案」
 平床健一氏(キネシオテーピング協会)
⇒ダーツプレイヤーの怪我やパフォーマンス向上に効果的な自己テーピング法

⑮「キネシオテーピング法における物理的力と効果」
 岡根知樹氏(キネシオテーピング協会)
 間口勝貴氏(介護老人保健施設川越ケアセンター)
⇒幅の広いテープと狭いテープがどのような身体の状態に効果的なのかを検証

 

世の中には、さまざなな種類のテープやテーピング法がありますが、
その効果をここまでちゃんと科学的に検証しているところは、
なかなかないと思います。
今回のキネシオテーピング療法学会では、まだまだ課題が多く残っている
とは思いますが、さまざまな分野の先生方が集まることで、
それぞれの専門知識を活かしたキネシオテーピング療法を知ることができ、
発表された科学的なデータや経験をたくさんの人たちと共有することが
できたと思います。
この2日間で学んだことを今後の治療に活かし、まずは来院して
いただいている皆様に役立てるように頑張ります。