「小指と薬指の指先~手の平がしびれる」
「指が曲がったままうまく伸びない」
「ペンや箸がうまく使えない」
などの症状がある場合は、『ギヨン管症候群』の可能性があります。

 

ギヨン管症候群とは、どのような状態のことをいい、どのような症状があり、
何が原因で起こるかを解説し、それに対して一般的に病院などで
行なわれる治療と当院で行なっている治療の違いを説明します。
どなたにでもわかるよう専門用語はできるかぎり使わず、
写真と解剖図を使って解説します。

*スマートフォンでは、横向き画面で
ご覧いただくことを推奨しております。

ギヨン管とは

ギヨン管(手根骨&靱帯) ギヨン管
↑左:豆状骨と有鈎骨と豆鈎靱帯
 右:ギヨン管(内)と神経(黄)と血管
※画像は右手を手のひら側から見たもので、クリックすると拡大します。

手首の小指側にある豆状骨(ずじょうこつ)と有鈎骨(ゆうこうこつ)、
そしてその二つの骨をつなぐ豆鈎靱帯(とうこうじんたい)によって
形成されたトンネル(管)をギヨン管といい、尺骨(しゃっこつ)神経と
尺骨動脈、尺骨静脈がその狭いトンネル内を通っています。

手をついて書いたり、マウスを使う時に机やテーブルと当たる所です。

ギヨン管症候群とは

尺骨神経(全長) ギヨン管症候群'16
↑左:尺骨神経(黄)/右:ギヨン管と尺骨神経(黄)
内が圧迫される所。画像をクリックすると拡大します。

首の骨(頸椎:けいつい)の間から出た尺骨神経は、わきの下と
肘の内側を通り、小指と薬指の指先までつながります。
(※一部親指の付け根にもつながります。)
この尺骨神経が圧迫されたり、締め付けられたりして起こる
尺骨神経の絞扼(こうやく)障害を総称して『尺骨神経症候群』といい、
『ギヨン管症候群』は、尺骨神経がギヨン管内で圧迫されて起こります。
ちなみに、肘の内側で圧迫されると肘部管(ちゅうぶかん)症候群
呼ばれます。

〔ギヨン管症候群の症状〕

ギヨン管症候群(症状)

しびれや痛みは、小指と薬指の指先~手の平に出て、手首を反らせると
症状が増強します。
悪化すると、小指や親指の付け根の筋肉が痩せて、平べったくなったり、
へこんで見えるようになります。(=筋萎縮:きんいしゅく)
小指と薬指が曲がったまま伸びにくくなったり、指同士がつかなくなり、
顔を洗う時などに手で水がすくえなくなります。
また、親指の挟む力が弱まり、箸やペンがうまく使えなくなることも
あります。

〔ギヨン管症候群の原因〕

骨折や怪我、ガングリオンなどで起こることもありますが、
ほとんどの場合は、手首の使い過ぎが原因だと言われます。
※ガングリオンとは、
中にゼリー状の物質が詰まったしこりや瘤(こぶ)のことで、
米粒大位の大きさからピンポン玉位の大きさにまでなるものがあり、
硬かったり軟らかかったりします。

しかし、同じように手首を酷使する仕事や趣味(例えばマウス操作、
車やバイク、自転車のハンドルを長時間握る、パンや麺類などの
生地をこねる など)をしている人でも、ギヨン管症候群になる人と
ならない人がいます。
実際にギヨン管症候群と診たてた方のほとんどに、ある共通点がみつかります。
それは、身体の歪みに合わせた間違った手の使い方です。
例えば身体(特に上半身)が左右に傾くと、肩や肘は上がったり
下がったりするので、それに合わせて手を使う時には手首を余計に
曲げたり反らしたりしなければならなくなります。
そのような状態で無理して手を使い続けていると、豆状骨に付く
手首を曲げる筋肉が引き伸ばされたり、過緊張してしまって、
豆状骨がズレたり、豆鈎靱帯が肥厚して、ギヨン管を狭めます。

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〔ギヨン管症候群の治療〕

一般的に病院では、消炎鎮痛剤や神経に効くビタミン剤が処方され、
ギプスやサポーターによる固定とストレッチや電気による治療が行なわれます。
痛みが強い場合は、ステロイド注射を勧められることもあるようですが、
日常生活に支障をきたす場合には、手術が行なわれます。

当院の治療は、
まず、患部に対する治療を行ない、症状を改善します。
 ギヨン管を狭める原因となる筋肉や靱帯にキネシオテーピング療法を行ない、
 ギヨン管を元の正常な状態に戻して、神経を解放します。
次に、症状が出ている手の使い方と全身の状態を診て、関連する背骨の歪み
  骨盤の歪み、筋肉の問題※をみつけて治療します。
 (※詳しくは「“筋肉のつながり”について」をご覧ください)

ほとんどの場合、初回は患部に対する治療に重点をおきますので、
少なくとも症状の軽減がみられ、場合によってはほとんど気にならなくなります。
さらに2回目以降身体を歪みにくくするための治療も一緒に行なっていけば、
ギヨン管症候群を根本的な原因から治療することになるので、
症状の再発を防ぐことができます。

ギヨン管症候群は正しい診たてと適切な治療をすれば、ちゃんと治ります。
病院では、小指と薬指が曲がって伸びにくくなっている場合を除き、
頸椎のレントゲン検査のみで診断されることが多いので、見落とされがちです。
病院で頚椎症と診断され、治療を受けてもあまり良くならないと来院された方が、
実はギヨン管症候群だったということもあります。
治療を受けていても、症状があまり変わらなかったり、悪化しているようなら、
その治療が合っていないか、他の原因と合併していたり、頚椎症だけでなく、
同じく尺骨神経症候群の一つである肘部管(ちゅうぶかん)症候群などと
間違われている可能性があります。

もしも、あなたが手のしびれや痛みからできるだけ早く解放されたいのであれば、
なるべく早く治療することをオススメします。 

 

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