今回のブログは、2014年7月24日に公開した「脊柱管狭窄症(腰部)について
の改訂版です。

「両足がジンジンしびれる」
「長く歩くと足に痛みやしびれが出る」
「長時間立っていられない」
などの症状がある場合は、『脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)』
の可能性があります。

脊柱管狭窄症とは、どのような状態のことをいい、どのような症状があり、
何が原因で起こるかを解説し、それに対して一般的に病院などで
行なわれる治療と当院で行なっている治療の違いを説明します。
どなたにでもわかるよう専門用語はできるかぎり使わず、
写真と解剖図を使って解説します。

*スマートフォンでは、横向き画面で
ご覧いただくことを推奨しております。

脊柱管とは

脊柱管(後) 脊柱管(横)
↑左:後ろから見た神経(黄)/右:左側から見た神経(黄)

脳から出た脊髄(せきずい)神経は、背骨(脊柱)の中を通って骨盤まで続き、
その間左右に枝分かれして、筋肉や内臓につながります。
この脊髄神経の通り道を脊柱管(せきちゅうかん)といいます。

脊柱管狭窄症とは

 骨棘形成すべり症

後縦靭帯と脊柱管 黄色靱帯と脊柱管
↑左:後縦靭帯(こうじゅうじんたい)/右:黄色靱帯(おうしょくじんたい)

腰の骨である腰椎のすべり症や変形(骨棘形成:こっきょくけいせい)、
脊柱管の前後を囲んでいる後縦靭帯や黄色靱帯が厚くなる(肥厚:ひこう)
など、脊柱管を形作る組織の変形により脊柱管が狭くなり、脊髄神経が
圧迫された状態を『脊柱管狭窄症』といいます。
頸椎(けいつい)で起こると『頚椎症』といわれます。
圧迫されている場所の特定やどの程度圧迫されているかは、
MRI検査により確認することができます。

〔脊柱管狭窄症の症状〕

腰の痛みはあまりなく、安静にしていればほとんど症状はありません。
長時間立ったり、歩いたりすると、両側の太もも~ふくらはぎ、足裏などに
しびれや痛みが出てきて、立っていられなくなったり、歩けなくなったり
しますが、しばらく前かがみになったり、座ったりするとしびれや痛みは
軽減するので、また立ったり歩いたりできるようになります。
姿勢を正したり、腰を反らせたりするとしびれや痛みは悪化しますが、
坂道を登ったり、自転車をこぐのは楽で、症状は出ない場合が多いです。
神経が長い間圧迫され続けてマヒしてしまうと、足の力が入りにくくなったり、
感覚が鈍くなったりするので、何もない所でつまづきやすくなったり、
ひどくなると足がまったく上がらなくなる場合もあります。
さらに悪化すると、歩行時に尿意をもよおすなどの排尿障害や便秘、
肛門周囲の灼熱感などが起こる可能性もあります。

〔脊柱管狭窄症の原因〕

一般的には、運動や職業、背骨の病気、椎間板の老化が原因で起こると
言われています。とくに、加齢により椎間板の水分が減ると椎間板は薄くなり、
後縦靭帯や黄色靱帯にゆるみが生じるので、このゆるみを止めるために
靱帯自体が厚みを増して肥厚したり、すき間に石灰を沈着させて骨棘を作り、
腰椎を変形させたりします。(※上図左参照)
また、靱帯がゆるむと腰椎は不安定になるので、前方にすべりやすくなります。
しかし、これは結果であって原因ではありません。
実際に脊柱管狭窄症と診断された方たちを診てみると、ほとんどの方に
ある共通点がみつかります。
それは下の写真のような、いわゆる“反り腰”です。

 脊柱管狭窄症横
↑左から見た脊柱管(赤)と靱帯

腰を反ると、上の図のように後縦靭帯(緑)と黄色靱帯(青)はゆるみます。
日常生活における“間違った”姿勢や身体の使い方に合わせて背骨や骨盤が歪んで
反り腰になると、靱帯がゆるんだままの所にさらに負担が掛かり続けるので、
腰椎のすべり症や変形(骨棘形成)、後縦靭帯や黄色靱帯の肥厚が
起こりやすくなります。
床に仰向けに寝た時、腰が床に付かなかったり、仰向けに寝ると腰が痛くなる人は
反り腰です。

〔脊柱管狭窄症の治療〕

一般的に病院で行なわれる治療は、消炎鎮痛剤や筋弛緩薬(きんしかんやく)、
神経に効くビタミン剤や神経の血流を良くする薬が処方され、
牽引(けんいん)や電気による治療が行なわれます。
痛みが強い場合は、ブロック注射を勧められることもあるようですが、
日常生活に支障をきたす場合には手術による治療が行なわれます。
(神経)ブロック注射とは、
手足の痛みやしびれをもたらしている神経の障害部分に局所麻酔を直接注射し、
神経を遮断することで痛みやしびれを抑えます。
神経に注射をするので、激しい痛みを伴います。
持続時間には個人差があり、打った時だけしか効かない人もいれば、
1週間くらい持続する人もいるようです。

当院の治療は、
まず、患部に対する治療を行ない、症状を改善します。
①反り腰の原因となる腰椎や骨盤の歪みをみつけて矯正します。
②特殊なベッドを使って、脊柱管を広げるための運動療法
(ウィリアム体操)を行ない、圧迫された脊髄神経を解放します。

 SANY0347

 ③キネシオテーピング療法により、①の歪みに関与する筋肉や筋膜を
元の正常な状態に戻して、腰椎や骨盤を矯正後の正常な状態で
維持できるようにします。
※一度変形してしまった骨を治すことはできませんが、靱帯や椎間板が回復し、
脊髄神経が圧迫されなくなれば症状は出なくなります。
次に、全身を診て①の歪みに関連する背骨の歪みを治療し、
①の歪みを起こりにくくすることで、 症状が再び出ないようにします。

ほとんどの場合、初回は患部に対する治療に重点をおきますので、
少なくとも症状の軽減がみられ、場合によってはほとんど気にならなくなります。
さらに2回目以降全身の治療も一緒に行なっていけば、
脊柱管狭窄症を根本的な原因から治療することになるので、
症状の再発を防ぐことができます。
また、ウィリアム体操は、ご自宅でも毎日続けていただくことが
大切ですので、おひとりお一人の状態に合わせた正しいやり方をお教えします。

脊柱管狭窄症は、正しい診たてと適切な治療をすれば、ちゃんと治ります。
治療を受けていても、症状があまり変わらなかったり、悪化しているようなら、
その治療が合っていないのかもしれません。
また、MRI検査によって脊柱管狭窄症と診断されても、足のしびれや痛みが、
実際にはそれ以外の原因で起こっている場合もあります。

もしも、あなたが足のしびれや痛みからできるだけ早く解放されたいのであれば、
なるべく早く治療することをオススメします。

当院は予約制ですので、必ず事前に03-3414-7206までお電話ください。
※文中の一部 画像はteamLabBody様の許可を得て、掲載しております。
著作権はteamLabBody様にありますので、当院ブログからの転載・二次利用などは
堅くお断りいたします。