このブログは2014年5月23日に公開した「骨盤の歪みについて」の改訂版です。

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《骨盤の構造とその役割》

骨盤の構造(前) 骨盤の構造(後)
↑左:前から見た骨盤/右:後ろから見た骨盤

骨盤は左右の腸骨(ちょうこつ)と真ん中の仙骨(せんこつ)
〈+尾骨(びこつ)〉で形成され、前は恥骨結合(ちこつけつごう)、
後ろは仙腸関節(せんちょうかんせつ)でつながっています。
骨盤は仙骨と背骨、腸骨と大腿骨が連結して上半身と下半身をつなぎ、
体重を左右に分散しています。
座っている時には坐骨(ざこつ)で身体を支えています。
 
股関節は腸骨のお椀状の凹みに球状の大腿骨頭(だいたいこっとう)が
はまっているだけの不安定な関節で、あらゆる方向に比較的自由自在に動かせます。
骨盤には股関節を動かすための筋肉がたくさん付いているので、
足を動かす時には骨盤を土台として安定させなければなりません。
そのために強力な仙腸靭帯(せんちょうじんたい)が仙腸関節を前と後から固定して、
腸骨があまり動かないようにしています。
 
腰~下肢の神経(前) 下肢の血管(前)
↑左:神経図/右:血管図 ※クリックすると拡大します。
 
直腸や膀胱、生殖器などの内臓は骨盤内で保護され、
腰椎(ようつい)と仙骨から出た神経や背骨に沿って下行してきた血管は、
骨盤内を通って足先へとつながります。
そして仙骨は、頭蓋骨から仙骨まで背骨の中を循環している脳脊髄液を
脳に向かって押し出すポンプの役割もしています。
(※詳しくは「頭蓋仙骨療法(クラニオセイクラルセラピー)」もご覧ください。)

 

 《骨盤の動き》

骨盤(右足) 骨盤(左足 反転)
↑左:腸骨の後方回旋/右:腸骨の前方回旋 

仙腸関節は、強力な仙腸靱帯により前後から固定されているので、
あまり大きな動きはできませんが、左の写真のように股関節を曲げると、
腸骨は仙腸関節を軸にして後方へ回旋し(赤矢印)、右の写真のように
股関節を後ろに伸ばすと腸骨は前方に回旋(青矢印)します。
 
骨盤前傾 骨盤後傾
↑左:右側から見た骨盤の前傾/右:右側から見た骨盤の後傾 
 
骨盤右傾+腰左側 骨盤右回旋
↑左:後ろから見た骨盤の右傾斜/左:前から見た骨盤の右回旋
 
骨盤は左右それぞれの仙腸関節での動きだけでなく、1つの塊として
前傾、後傾、左右傾斜、左右回旋することができます。
 
出産時の骨盤
↑前から見た出産時の骨盤の動き
 
そして出産時には、赤ちゃんの通り道である産道を確保するために
恥骨結合は分離し、仙骨は前に傾き、坐骨は外に広がります。
(※妊娠中の身体の変化については「妊娠中の治療について」を、
出産後の骨盤の歪みは「出産後の治療について」をご覧ください)
 
《骨盤の歪みと症状》

本来の正常な動きができなくなってしまった状態(関節可動域減少)のことを
いわゆる“歪み”といい、カイロプラクティックでは「サブラクセイション」と
呼びます。レントゲンで見ると“ズレ(不整列)”が確認できますが、
ズレていても実際にはほんの数ミリです。 

骨盤後方回旋変位
↑右側から見た腸骨の後方変位
 
例えば上の写真のような骨盤の歪みを「腸骨の後方回旋変位」といいますが、
この場合は前方回旋の可動域が減少して、股関節を後ろに伸ばしにくくなります。
仙腸関節の動きはあまり大きくないので、これを自覚することは
ほとんどありませんが、大腿骨頭が上に引き上げられているので、
うつ伏せに寝て左右の足の長さを比べると、右足の方が短く感じます。
 
骨盤の歪みは、上記のような関節可動域減少以外に腰や太ももの筋肉と筋膜の
伸張や短縮、背骨の歪みによって起こるものもあります。

骨盤が歪むと骨盤内の内臓や神経、血管に影響するので、下半身の冷えや便秘、
生理痛、生理不順、子宮筋腫、子宮内膜症、不妊症などを起こしたり、
脳脊髄液の循環が悪くなると、自律神経失調症や頭痛などを起こすこともあります。
そして、骨盤や股関節に付く筋肉、筋膜、靱帯が引き伸ばされると、
お尻の張りや痛み、股関節の痛み、太ももの裏側の張りや痛み、膝や足首の痛み、
偏平足や外反拇趾、緊張性(筋筋膜性)腰痛やぎっくり腰が起こり、背骨も一緒に
歪むと椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)を
引き起こす場合もあります。
(※それぞれの症状については【症状と診断名(五十音順)】からご覧ください)
まだ気になる症状がない場合でも、スカートが回ったり、ズボンの裾上げをした時に
左右で長さが違ったりすることがあります。
 
《骨盤の歪みの原因》
骨盤の歪みは、交通事故やスポーツなどによって起こる場合もありますが、
ほとんどの場合は日常生活における“間違った”姿勢や身体の使い方が
原因で起こります。
 
足を組んで座る
 
例えば足を組んで椅子に座っていると、本来なら骨盤が不安定になるので、
骨盤を安定させるために筋肉に余計な力を入れなければならなくなります。
しかし時間が経つにつれて、筋肉の力を使わないでこの姿勢を維持しようと
仙腸関節をロック(固定)して身体を支えるようになり、骨盤が歪みます。
このような姿勢は本来“間違った”姿勢であり、身体に負担が掛かるはずですが、
このような姿勢でいる方が「楽だ」と感じる人は多いと思います。
これは、上記のように“間違った”姿勢に合わせて骨盤が歪んでしまっている
からです。
《骨盤の歪みの治療》

骨盤の歪みの治療は、
①仙腸関節のロック(固定)があれば、それを解放する
②引き伸ばされた筋肉と筋膜、または短縮した筋肉と筋膜を正常な状態に戻す
の両方が基本的には必要だと考えられます。(※①がない場合は②のみ)

仙腸関節のロック(固定)の解放は、カイロプラクティックオステオパシー
矯正が代表的で、「アジャストメント」や「関節マニュピレーション」などと
呼ばれ、手技だけでなく、特殊な道具やベッドを使うテクニックなど
さまざまなものがあります。

そして、引き伸ばされた筋肉と筋膜、または短縮した筋肉と筋膜が
そのままですと、せっかく矯正しても骨盤を矯正後の正常な状態に
維持することができません。
ストレッチやマッサージは、引き伸ばされている筋肉と筋膜を
さらに引っぱって伸ばしてしまいます。
筋スラッキング療法キネシオテーピング療法では、引き伸ばされた筋肉と筋膜、
または短縮した筋肉と筋膜を元の正常な状態に戻すことができるので、
骨盤も矯正後の正常な状態に維持し続けることができます。

また、背骨の歪みが原因で起こっている場合は、背骨の歪みも一緒に
矯正する必要があります。
(※詳しくは「背骨の歪みとその治療」をご覧ください。)

もしも、あなたが骨盤の歪みをできるだけ早く治したいのであれば、
なるべく早く来院することをオススメします。

当院は予約制ですので、必ず事前に03-3414-7206までお電話ください。
 ⇒【今週の予約状況

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