ストレッチング
 
この質問に答える前に、まずはストレッチについて簡単に説明します。
1975年アメリカのボブアンダーソンがストレッチを図解した本
『ストレッチング』を出版し、ストレッチはアメリカでブームになりました。
それから日本に上陸し、普及していきました。
ちょうど同時期に、日本ではフィットネス、エアロビクスブームが始まり、
インストラクターがウォーミングアップやクールダウンに取り入れたため、
ストレッチは急速に広まりました。
 
ストレッチには反動をつけて筋肉を伸ばす、「動的(バリスティック)ストレッチ」と
反動をつけずに筋肉を伸ばす、「静的(スタティック)ストレッチ」があります。
 
現在の主流は「静的(スタティック)ストレッチ」で、筋肉をゆっくりと伸ばし、
痛みを感じない程度の所で動きを止めて30秒から1分間その状態を保ちます。
以前は「動的(バリスティック)ストレッチ」が主流でしたが、反動をつけて
限界ギリギリまで筋肉を伸ばす為、筋肉を傷めるケースが少なくありませんでした。
それに対して「静的(スタティック)ストレッチ」はあまり痛みが無く、筋肉を傷める
危険性が少ない為、現在ではスポーツ選手や愛好家の間ではウォーミングアップ
やクールダウンに、そして一般の人のあいだでも肩こりや腰痛の予防・治療に
用いられるようになりました。
 
筋肉は弾力性に富み、伸縮性があるという点ではゴムひもに例えることができます。
ゴムひもは長時間伸ばされ続けると、伸びきってしまい縮まなくなります。
筋肉は縮む時に力が入るので、伸びてしまった筋肉は力が弱くなります。
(これは実際に筋力検査で確認することができます。)
さらに伸ばされると、筋肉を形作っている筋線維や、筋肉を包んでいる筋膜が
切れて傷つきます。
傷ついた皮膚にかさぶたができるように、切れた筋線維や筋膜が修復されると、
その筋線維や筋膜は切れる前よりも頑丈になり、結果的には柔軟性がなくなります。
 
普段の姿勢で伸ばしている筋肉がストレッチすることによって、さらに伸ばされて
傷んでしまったり、弱った筋肉に負担がかかり傷めることが考えられますので、
当院では基本的に薦めていません。
 
以前は治療や予防のためにストレッチを取り入れていましたが、
キネシオテーピング法を治療に取り入れ、自分でもいろいろと試してみて、
現在はこのように考え、アドバイスしています。
 
最近アメリカでは、ナショナルチーム(オリンピックなどの代表選手)のトレーナーに
キネシオテーピング法が普及するようになり、その影響からプロスポーツ界でも
ストレッチに対する考え方が変わってきたようです。
 
 

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