女性 50代 会社員

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(主訴)

靴を履く時や歩く時に右の足先が上がらない。

約1カ月前に発症し、整形外科で『腓骨神経麻痺(ひこつしんけいまひ)』と
診断され、1週間足首固定のためギプスをしていたが、今はしていない。
麻痺は徐々に回復してきている感じはあるが、歩く時に左足と比べると
違和感があり、足を引きずって歩くので油断するとつまづきそうになる。
整形外科ではこれ以上の回復が見込めないため、ホームページを見て来院。

(検査)

神経学検査のうち足の知覚検査では、右足の全ての指先から足の甲で
左に比べて異常がありました。
筋力検査では右足の全ての指を反らす力が左に比べて明らかに
低下していました。
触診では、右の太もも裏とすねの外側が左に比べて明らかに硬く、
筋肉テストをしてみると、大腿二頭筋(だいたいにとうきん)と
長腓骨筋(ちょうひこつきん)に機能低下がみられました。

右大腿二頭筋 右長腓骨筋(横)
↑左:後ろから見た大腿二頭筋/右:横から見た長腓骨筋

その他、関節可動域検査や整形外科学検査などの結果と併せたところ、
この女性の腓骨神経麻痺による右足の症状は、腓骨を上に引き上げる筋肉と
下に引き下げる筋肉の問題で腓骨がズレてしまって起こっている可能性が
極めて高いという診たてになりました。

(治療)

まず、腓骨のズレの原因となる大腿二頭筋を過緊張させる可能性がある
骨盤の歪みと、長腓骨筋につながる神経に障害を起こす可能性がある
背骨の歪みが腰(腰椎:ようつい)で1か所見つかったので、それぞれ
矯正し、さらにそれぞれの筋肉に対してキネシオテーピング療法
行なうことで、圧迫された腓骨神経を解放し、なおかつその状態を
維持できるようにしました。

しかし、これだけでは足の指を反らす筋力が回復しなかったため、
親指を反らす長拇趾伸筋(ちょうぼししんきん)と親指以外の指を反らす
長趾伸筋(ちょうししんきん)にキネシオテーピング療法を行なったところ、
親指を反らす力は少ししか回復しませんでしたが、親指以外の指を反らす力は
かなり回復したので、足先もかなり上がるようになりました。

右長拇趾伸筋 右長趾伸筋
↑左:前から見た長拇趾伸筋/右:前から見た長趾伸筋

まだ左足に比べて足先が上がりにくいことから、圧迫されていた腓骨神経の
回復にはもう少し時間が掛かり、回復する前に再び圧迫されてしまうと症状が
悪化する可能性があります。
普段仕事で座っている時間が長いとのことから、座っている時の姿勢を診てみると
右肩が下がっているため右のお尻~太ももに体重が掛かり、大腿二頭筋が
圧迫されていました。
このような座り方に合わせて歪んでしまっている背骨、とくに今回はできなかった
背中(=胸椎:きょうつい)や首(=頸椎:けいつい)の矯正と、歪みに関連する
筋肉や筋膜も併せて治療することが再発防止のためには必要であり、
さらに麻痺で力が入らなくなっしまった足の指を反らす筋肉を回復させるためには
キネシオテーピング療法が効果的であると伝えました。

 

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