男性 60代 会社員

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(主訴)

左の足先が上がらず、歩く時にパタパタ音がして歩きづらい。
走る時も同様で、何もない所でもつまづきやすい。

約1か月前に腰が痛くなり、整形外科を受診したものの
レントゲンに異常はなく、痛み止め、筋弛緩薬、湿布を
処方された。
しばらくして歩く時に左の足先が上がらなくなってきたので、
整体やマッサージに行ったら腰痛は治ったが、足先が上がらない
のだけが治らない。

(検査)

足首を自分で曲げてもらうと、右に比べて左があまり曲がりませんが、
関節可動域には異常はありませんでした。

治療例16-1 治療例16-2
↑左:斜め前から見た左足/右:下から見た左足

神経学検査のうち足の知覚検査では、左の親指の指先から足の甲、
人差し指と中指の指先の足の甲側と裏側で、右に比べて異常が
ありました。(上の図の内)
筋力検査では、左の親指を反らす力が右に比べて明らかに低下して
いましたが、腰を曲げた状態で検査すると筋力は回復しました。
触診により、左太もも裏の外側が右に比べて明らかに硬く、
腓骨頭(左上の図の膝の外側の内)を押すと足先にしびれが
走りました。
筋肉テストにより、大腿二頭筋(だいたいにとうきん)と
前脛骨筋(ぜんけいこつきん)に機能低下がみられました。

左大腿二頭筋 左前脛骨筋
↑左:後ろから見た大腿二頭筋/右:前から見た前脛骨筋

その他、関節可動域検査や整形外科学検査などの結果と併せたところ、
この男性の左足の症状は、腰椎の4,5番の間が左側で狭まり、
そこから足先につながる神経の根元(神経根:しんけいこん)が圧迫されて
起こる『椎間孔狭窄症』と腓骨を上に引き上げる筋肉と下に引き下げる
筋肉の問題で腓骨がズレてしまって起こる『腓骨神経麻痺』による可能性が
極めて高いという診たてになりました。

(治療)

まず圧迫されている神経を解放するために、腰椎5番と骨盤の歪みを矯正し、
狭まってしまった神経の出口(椎間孔:ついかんこう)を広げるための
運動療法(ウィリアム体操)を行なったところ、親指を反らす筋力は
回復し、歩く時に足先が少し上がるようになりました。
次に腓骨のズレの原因となる大腿二頭筋と前脛骨筋にキネシオテーピング療法
筋スラッキング療法を行ない、再度検査をしてみると、さらに足先が
上がりやすくなりました。

まだ右足に比べて足先が上がりにくいことから、圧迫されていた神経の
回復にはもう少し時間が掛かり、回復する前に再び圧迫されてしまうと症状が
悪化する可能性があります。
普段仕事で座っている時間が長いとのことから、座っている時の姿勢を診てみると
右肩が下がり、上半身の傾きとバランスをとるために左のお尻~太ももの外側に
体重が掛かっていました。
左のお尻~太ももの外側に体重が掛かると、身体を支えるために大腿二頭筋が
引き伸ばされてしまいます。
このような座り方に合わせて歪んでしまっている背骨、とくに今回はできなかった
背中(=胸椎:きょうつい)や首(=頸椎:けいつい)の矯正と、歪みに関連する
筋肉や筋膜も併せて治療すること、そしてご自宅での運動療法(ウィリアム体操)が
再発防止のためには必要だと伝え、正しいやり方をお教えしました。

 

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