股関節の痛み(前)

「鼠径部(そけいぶ)が痛い」
「椅子から立ち上がる時に股関節が痛い」
「足の付け根がつまった感じ」

このような症状の原因とそれに対して当院で行なっている治療
(カイロプラクティック、キネシオテーピング療法、筋スラッキング療法など)
について、どなたにでもわかるよう専門用語はできるだけ使わず、
写真と解剖図を使って説明します。

*スマートフォンでは、横向き画面で
ご覧いただくことを推奨しております。

股関節の前側を通る筋肉

大腿直筋(新) 大腿筋膜張筋(新)
↑左:大腿直筋(だいたいちょっきん)
 右:大腿筋膜張筋(だいたいきんまくちょうきん)

恥骨筋(新) 縫工筋(新)
↑左:恥骨筋(ちこつきん)/右:縫工筋(ほうこうきん)

大腰筋(新) 腸骨筋(新)
↑左:大腰筋(だいようきん)/右:腸骨筋(ちょうこつきん)
※6つとも前から見た右足の筋肉です。

股関節の前側を通る主な筋肉は、大腿直筋、大腿筋膜張筋、
縫工筋、恥骨筋、大腰筋、腸骨筋です。
これらの筋肉は、股関節を曲げたり、足を外側に開いたり、
内側に閉じたり、足先を外側に向けたりする時に働きます。

症状

・長時間歩いていたり、椅子に座っているとだんだん張ってきたり、
 だるくなってきたり、痛くなってくる。
・椅子から立ち上がる時に痛み、股関節をまっすぐに伸ばせない。
・歩き始めは痛み、歩いているうちにだんだん痛くなくなる。
・股関節を動かすと、つまった感じや引っかかる感じがする。
・股関節の奥の方が痛い。
などの症状が出ます。

原因

股関節の痛みの原因は、主に以下の5つが考えられます。

①内臓の病気

とくに、骨腫瘍(がん)、血管(動脈不全)、泌尿器、骨盤内臓(虫垂、
子宮、卵巣など)の病気によって引き起こされます。

変形性股関節症

クッションの役目をする関節軟骨がすり減ったり、傷ついたりして炎症を
起こします。

前仙腸関節の捻挫

捻挫した時に適切な治療をしなかったために、慢性化してしまっている
場合があります。
仙腸関節が緩んでしまった状態で、可動性亢進(かどうせいこうしん)、
または仙腸関節障害などと診断されたりします。

トリガーポイントによる関連痛

股関節の前側を通る筋肉だけでなく、腰や内ももに付く筋肉の中にも
足の付け根(=鼠径部:そけいぶ)に関連痛を引き起こすものがあります。

⑤筋肉と筋膜の問題

足を組んで座ったり、片側に体重を掛けて立ったり座ったり、
ポケットに物を入れていたりすると、股関節の前側を通る筋肉と
それを包む筋膜が圧迫されて癒着を起こし、筋肉が過緊張します。
過緊張させた筋肉をさらに緊張させるような姿勢、腰痛予防や
姿勢改善のためにやっている筋トレなどによって、知らないうちに
悪化させている人は意外と多いです。
股関節の前側を通る6つの筋肉のうち1つ、もしくは2つ以上の筋肉が
過緊張している可能性があります。

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治療

病院での治療は、マッサージやストレッチ、電気治療器、湿布や痛み止めなど、
原因がなんであれ、同じ治療が行なわれる場合がほとんどです。

当院では、まず検査により股関節の痛みの原因を特定し、
その結果、内臓の病気の疑いがある場合は病院での精密検査をすすめます。
そして、前仙腸関節の捻挫やトリガーポイント、変形性股関節症が
原因の場合は、それぞれに対して適切な治療を行ないます。
※それぞれの治療については、以下のブログをご覧ください。
仙腸関節の捻挫について
トリガーポイントとその治療
変形性股関節症とその治療

筋肉と筋膜の問題が原因の場合は、
①まず最初に患部に対する治療を行ないます。
 股関節の前側に付く筋肉の中から過緊張している筋肉を特定し、
 その筋肉とそれを包んでいる筋膜に対して、筋スラッキング療法
 キネシオテーピング療法で治療します。

筋肉が原因というと、すぐにストレッチをしたがる人は多いですが、
過緊張している筋肉をストレッチすると、筋肉と筋膜が癒着してるところを
引き剥がして傷つけ、そこが修復される過程でまた癒着するということを
繰り返すことになるので、かえって治りにくくなります。

次にその筋肉に負担を掛け続けている原因を治療します。
②股関節の前側に付く6つの筋肉のうち、大腰筋のみ背骨に付き、
 それ以外は骨盤に付きます。そのため、背骨の歪み骨盤の歪み
 により、筋肉や筋膜が圧迫される可能性があるので、①で特定した
 筋肉が付く背骨や骨盤の歪みを矯正します。


↑右のお尻に体重を掛けて座る

 たとえば、左の股関節が曲がりにくかったり、上半身が左右に傾くと、
 上の写真のように右のお尻に体重を掛けて座るようになり、
 右の股関節前側に付く筋肉が圧迫されて過緊張するので、
 股関節を曲がりにくくしたり、上半身を左右に傾ける原因となる
 背骨や骨盤の歪みと筋肉の問題を治療します。

③下図のように、①で特定した筋肉とつながって連動する筋肉の
 いずれかに問題(伸張や過緊張)が起こっていると、①で特定した
 筋肉を過緊張させるので、 この中から問題のある筋肉をみつけ、
 その筋肉とそれを包んでいる筋膜を筋スラッキング療法
 キネシオテーピング療法で治療します。 

SFL
↑左:大腿筋膜張筋、縫工筋、大腿直筋とつながって連動する筋肉
 右:大腰筋、腸骨筋、恥骨筋とつながって連動する筋肉

大腿筋膜張筋とSPL 大腿筋膜張筋とLL
↑大腿筋膜張筋とつながって連動する筋肉

ほとんどの場合、初回は患部に対する治療に重点をおきますので、
少なくとも症状の軽減がみられ、場合によってはほとんど気にならなくなります。
さらに2回目以降全身の治療も一緒に行なっていけば、股関節の痛みを
根本的な原因から治療することになるので、症状の再発を防ぐことができます。

股関節の痛みは、上記以外にも腰椎椎間板ヘルニア椎間孔狭窄症
大腿神経痛が原因で起こっている場合もあるので、その原因をちゃんと見極めて、
適切な治療をしないと治りません。
そして筋肉と筋膜の問題が原因だったとしても、原因となり得る筋肉は
いくつもあり、さらに症状が出ている筋肉だけに問題があるとは限らず、
上記のように患部から離れた所の筋肉に問題があるかもしれません。
そのため、症状が出ている筋肉を治療するだけでは対症療法にしかならず、
その筋肉を過緊張させている原因も一緒に治さなければ、
一時的に良くなったとしても、しばらくしたらまた繰り返すことになります。

もしも、あなたが股関節の痛みや張りからできるだけ早く
解放されたいのであれば、なるべく早く治療することをオススメします。 

当院は予約制ですので、必ず事前に03-3414-7206までお電話ください。
 
 
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