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椎骨(後) 椎骨(前)
↑左:後ろから見た椎骨/右:前から見た椎骨

椎骨(横) 椎間板
↑左:横(右側)から見た椎骨/右:上から見た椎間板

椎間板は、背骨を構成する椎骨(ついこつ)と椎骨の間にあります。
中心に柔らかいゼラチン状の物質でできた髄核(ずいかく)があり、
その周りを線維輪(せんいりん)と呼ばれる線維性の薄い膜が
玉ねぎの皮のように何層も重なり合ってできています。

 
↑左:横(右側)から見た椎間板と髄核/右:前から見た椎間板と髄核

椎間板の働き 脊柱
↑左:衝撃を吸収して圧力を分散するイメージ
 右:後ろから見た背骨(=脊椎:せきつい)

その働きは、衝撃を吸収して圧力を分散するクッションの役目と
柔軟性を生かして背骨の運動を滑らかにする役目があります。
そのため、背骨の中で負担が掛かりやすく、大きく動かすことができる
頸椎(けいつい)や腰椎(ようつい)では椎骨の高さに対して椎間板が厚く、
胸椎(きょうつい)では薄くなっています。
ちなみに椎間板は、背骨の全長の約1/4を占めています。
 
日中、身体を起こしている間にさまざまな負担が掛かると、
髄核に含まれる水分が減少して椎間板は縮みます。
しかし、睡眠中には負担が掛からないので、水分を再び吸収して
元の厚みに膨らみます。朝になると夜寝る前の縮んだ椎間板が回復し、
夜と朝の身長差が1~2cm生じます。
しかし、加齢とともに水分が減り、回復しなくなると
身長が低くなり、身体が硬くなります。

20歳頃から加齢やストレスなどで、椎間板に含まれる水分が減少し、
それに伴い、弾力性も低下して老化が始まると言われています。
この状態で“間違った”姿勢や身体の使い方(例えば、腰を曲げる、
上半身を左右に傾ける など)によるストレスがさらに加わると、
髄核が押し出されて椎間板は変形します。 

 
髄核(横) 屈曲
↑横から見た髄核(左:正常/右:前に曲げた時)
 
身体を前に曲げると、右の写真のように椎間板の前方が圧迫されて、
髄核は後方に押し出されます。
 
椎骨(正常ー後) 髄核(前)
↑左:後から見た椎骨/右:前から見た髄核(正常)
 
Disc(右側屈ー後) Disk(右側屈ー前)
↑左:後から見た椎骨の動き/右:前から見た髄核の動き
 
身体を右に倒すと、上の写真のように椎間板の右側が圧迫されて、
髄核は左に押し出されます。
 
Disk(左側屈ー後) Disk(左側屈ー前)
↑左:後から見た椎骨の動き/右:前から見た髄核の動き
 
身体を左に倒すと、上の写真のように椎間板の左側が圧迫されて、
髄核は右に押し出されます。
 
 
椎間板症(膨隆)
 
ストレスにより、ゼラチン状物質でできた髄核が線維輪を突き破り、
上の写真のように椎間板が変形※した状態を病院では椎間板症、
椎間板膨隆(ぼうりゅう)、椎間板突出、ヘルニアになりかけている
などと診断されます。(※髄核が椎間板からはみ出していない状態)
この状態では、正常だとMRIに白く写る椎間板が黒く写りますが、
脊髄神経や神経根はあまり圧迫されていません。
また、線維輪の外側の2枚には痛みを感じる神経があるので、
患部である腰や首に痛みは出ますが、手足の神経症状
(神経痛、しびれ、知覚異常、脱力など)は無いか、
あっても時々出るくらいです。
しかし悪化すると、椎間板ヘルニアに移行します。
 
 
↑左:上から見た椎間板ヘルニア/右:横(右側)から見た椎間板ヘルニア
 
ストレスにより、ゼラチン状物質でできた髄核が線維輪を突き破り、
上の写真のように髄核が椎間板の外に押し出されて後方へ、
つまり脊髄神経(せきずいしんけい)と神経根(しんけいこん)の方に
はみ出した状態を病院では椎間板ヘルニア※と診断されます。
(※ヘルニアとは「はみ出した」という意味です。)
髄核は椎間板の中心よりやや後方にあるので、後方にはみ出すことが多いです。
患部である腰や首の痛みはもちろん、押し出された髄核が神経根や脊髄神経に
当たれば、手足の神経症状(神経痛、しびれ、知覚異常、脱力など)を伴う
場合もあります。
椎間板症や椎間板ヘルニアは腰椎で最も多く、次いで頸椎に多くみられます。
体質的に椎間板が弱い人では、腰椎と頸椎の両方に現れる場合もあり、
そのようなケースでは遺伝的な要因も考えられます。
椎間板症や椎間板ヘルニアは、重い物を持ったり、くしゃみなどが原因で
発症すると思われがちですが、実際は、それ以前に椎間板の弱化、
“間違った”姿勢や身体の使い方、加齢による筋力の低下などにより、
長い間椎間板にストレスが掛かり続けていたところに、重い物を持ったり
くしゃみをしたことが“きっかけ”で起こっています。
椎間板の老化が原因で起こっているといわれることもありますが、だとしたら
どうして、同年代で性別や体形が同じような人でも発症する人としない人がいるのか
説明できません。
「椎間板症や椎間板ヘルニアは一生付き合っていかなければならない」
と思っている方は結構多いです。
状態によっては回復するまでに時間がかかる場合はありますが、
的確な治療を受ければ、ほとんどの場合はちゃんと治ります。

頸椎(けいつい)椎間板ヘルニアとその治療
それぞれの症状や治療について詳しく説明しています。
椎間板症は椎間板ヘルニアの前段階なので、治療は基本的に同じです。
 
 
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